お墓参り

 気になっていた、お墓参りに行った。昨年夏に他界した、元八百屋さん夫婦のお墓である。車で行けば(渋滞がなければ)15分もかからないくらいの近い所だがなかなか行けなかった。
 母が亡くなった後、お墓参りに来てくれたし、父が在宅医療のため、病院から家に帰ってきたときも、よく家に父の様子を見に来てくれた。「家に帰ってこれて、よかったね」と父に話しかけ、父は盛んにうなずいていた。
 途中で花を買い、お寺の近くの駐車場に車を入れ、お墓まで歩いた。
 姿が見られなくなって、寂しいよ。レオと散歩していたとき、よく会ったね。母や父によくしてくれて、ありがとう。
 死者は静かで、何も不満を訴えない。わたしに会えてうれしいとも言わない。だがわたしの心の中で、うれしいよと言ってくれた。
 亡くなった人との語らいを終えた後、ちょっぴり、がっかりしたことがあった。お墓には枯れた花があり、持ってきた花と取り換えたのだが、枯れた花を持ちかえるように書いてあったのだ。
 枯れた花を持ちかえることに抵抗があった。お線香を受け取ったところで、持ち帰るための袋をできればほしいと伝えるとこころよくくれたが、一言二言、文句を言ってしまった。
 ゴミを持ちかえることがお墓参りから遠ざけることになるのではないか、と。屁理屈なところがあったと今は思うが、何かを言いたかった。
 だが、また来たくなったら来るだろう。お寺に行くのでなく、お墓にいる人に会いに行くのだから。


 老犬レオは食が細い状態が続いている。足腰が弱り、朝起きた時、特に寝ている状態から立ち上がれない。上体は起こすのだが、手足がむなしく布団の上を空回りする。
少し前はレオのそんな様子を見ながらも自力で起き上がるのを見守っていたが、今朝はすぐ手を貸して立ち上がらせた。立ち上がると玄関のほうに行こうとするので、抱いて外に出し、道路まではいっしょに歩き、おしっこをさせた。
 朝ごはんは牛肉のサイコロステーキをちぎって口に押し込んだら、ガムのように咬んでいたが口からぽとっと落した。朝はほとんど何も食べなかった。
 午後になって、ステーキを少しとクロワッサンを少しあげた。
 夕方、トイレのために外に出すと、玄関横ですぐおしっこをした。道路に出しても歩かないので家に戻ると、珍しく、何か食べたいというサインを出した。いつも食器を置く所に来て、待っている様子なのだ。
 昨夜の残りの鶏手羽先の肉だけ取ってあげると、1本分食べた。
 レオのごはんはサイコロステーキが2個しかないので、急遽、グルメスーパーに買い出しに行くことに。
 また鶏手羽先と、豚肉、お刺身盛り合わせ(一人前)を買った。
 レオは結局、まぐろの赤身とサイコロステーキ2個、鶏手羽先1本(さきほどのと合わせて2本)昨日作った鶏ひき肉のつくね焼き一個を食べた。こうして書くと、量が多いように思えるがどれも少しずつなので、いつもの1食分プラスアルファくらいだと思う。
 レオが何をどのくらい食べるかわからないので、食べるもの、食べそうなものを少しずつ買いに行くしかないがこの状態がいつまで続くのだろう。
 


一つだけ咲いたイングリッシュ・ローズ
今年の夏の暑さが厳しかったためか、手入れが悪いのか
シュートもほとんど伸ばすことなく、どことなく
元気がない
いつも秋にはもっと花が咲くのだがこの秋はひとつだけ


満開の金木犀