浴室の中のような空気感

 お彼岸の中日には涼しくなるとの天気予報を信じ、心待ちにしていた。が、どうだろうか。
 厚い雲が空を覆い、激しい雨が突然ふったかと思うと、強い日差しがさして、外の空気全体が風呂場のような湿気いっぱい状態。肌にまとわりつく湿った空気は気持ちよくない。ときおり吹く風は涼しい。
 午前中、気になっていたサワラの大木の根元にできた洞に、アリ用の殺虫剤をまいた。細い針金のようなノズルがついているものだ。アリが食い散らした木くずの上にまず吹きかけ(アリが動いているので)、次にアリが開けたと思われる木肌にできた小さな穴にノズルをさしこみ、噴霧した。
 あちこちの穴に噴霧していると、洞の中を黒っぽい生き物がうごめいた。ギョ。蛇か。毛は生えていなかった。こんな穴にいるのはネズミか蛇くらいではないか。洞を巣にしているのかもしれない。
 即、中止した。蛇の怒りを買ったらこわいし。いろいろな生き物が棲息している。蛇がこの庭に住みついているのは知っていたが、お互い、不干渉でばったり出くわさないようにしているが、この夏は今までに2回、姿を見かけた。今日で3回目。2回目は、裏庭のサクラの切り株の中にスーッと入っていたから、大きな木の洞や切り株は蛇のかっこうの住み家かも・・・・・・・。
 蛇には悪いが、アリ退治はしないと木全体が危ない。根元にまくタイプの殺虫剤にして、木の中には噴霧しないようにしようか。

 雨が止んだ時、お彼岸のお墓参りに行った。きれいな花が墓地を彩っている。わが家のお墓は枯れた花がそのままで、父母に申し訳ないような気がした。新しい花に替え、遅くなってごめんね、と手を合わせた。
行きに、老犬レオと同じ名前のダックスフントの飼い主さんの家の前を通ったら、「レオ君元気?最近見かけないけど」と言われた。ノミ騒動あたりからわが家のレオはあまり歩かなくなり、ほとんど家の前の道路か、歩いても商店街の入り口くらいまで。その前は2倍くらいの距離を歩いていた(といっても200mほど)。この2週間くらいは100m歩けばいいほうだ。
 家の前にいることが多いと答えると、うなずいていた。
 今日のレオは朝8時ころ起きたが、家の前の道路に出ただけで、くるくる回りながら歩いていた。駐車場でくしで梳いたが、あまりノミは取れなかった。
抱いて家に連れて行ったら、、また外に行きたがり、自分の脚で道路のほうへ。でもすぐへばったのでまた抱いて家に戻した。
 朝ごはんはぜんぶ食べて、しばらくしてから(お昼前に)眠ってしまい、起きたのは6時半ころ。
 散歩に出ると、厚い雲におおわれそうな三日月が出ていた。今夜のレオもほとんど歩かない。ただ、大と小の用を足し、すっきりしたようだ。用水路の橋まで抱いていき、帰りは少しだけ歩いた。
 途中で、レオと同じ名前のダックスフントの飼い主さん(こんどは奥さんのほう)に会い、お互いの犬のことを話した。
 食欲はあって、鰤の焼き魚と野菜の煮たもの、ドッグフードを食べた。


三日月を見て俳句を作ってみた。

厚塗りの雲に三日月見え隠れ
三日月は雲に隠れて秋の風
老犬と歩く夜道やおぼろ月
三日月がつかのま顔出し虫の声
老犬は月にも虫にも興味なし

故人となった親友の俳句も一句

秋風に蝉も和するや銀の弦