老犬レオにノミがついた!

 最近の柴犬レオはどこか様子が変で、一段階、脳の老化が進んだのかと心配していた。夜中に歩き回り、寝ても何度も起き、悲しい声で泣く。だが今日は、昼間も夜と同じように歩き、悲しそうな声で泣いた。横になって休んだかと思うと、ガバッを起きて歩きだす。
 もしかしたら、と思った。ノミがいるのではないか。散歩中に尻尾に倒す動作も気になっていた。尻尾の付け根にノミがいるのかも。実は、昨夜、わたしもなんだか痒かった。レオが何度もわたしの側に来た。そのレオを抱いたりもした。妙な痒さがあって、なかなか眠れなかった。
 横になって眠っているレオの背中や太もものあたりを、櫛目の細かいノミとりコ―ムですくと、何回かやっているうちに、黒く小さいものがついてきた。あわてて洗面器に石けん水を入れて持ってきて、ノミを入れた。こうすると溺れて(?)死んでしまう。
 たくさん、取れた。100匹以上も!くしについたノミがぴょんと逃げてしまうことも数回。ノミをできるだけ少なくしないと、と思った。
 これだけたくさんいると、すごく痒いし、不愉快だったろう。年をとったせいか、若い時のように身体を口や足でかくこともままならない。身体をかいているところを殆ど見なかった。一度、太ももを歯をたててかんでいたことがある。あれはノミがいたのだ。
 ノミは体力が弱った生き物に寄生しやすい。ノミがこんなに増えたのは、高齢犬で衰えている上、猛暑でさらに弱っていたことがあるだろう。
 もっと早く気づいてあげればよかった。悲しそうに泣いていたのは、訴えていたのだ。ノミがいてかゆいよ、辛いよ、と。認知症の夜泣きとは違うのだ。わたしはひそかに夜泣きの症状が出てきたのでないかと心配していた。もっと、よくレオを観てあげないと。いつもいっしょにいるようで、あまりレオのことを観ていなかった。猛反省。
 夕方、いつもの動物病院に行き、ノミ・・ダニ用の薬を2回分受け取ってきた。首の後ろの真ん中辺につける液体の薬だ。いわゆる殺虫剤なので、老犬になってからは強過ぎると思い、つけていなかった。だがノミが発生し、増えた時はこの薬に頼るしかない。
 薬が効いてノミがいなくなれば、レオも身体がラクになり、落ち着いてくれると思いたい。
 
 レオは朝は10時半ごろ起き、2時くらいまで起きていた。2時過ぎに眠り、ずっと眠りっぱなしだ。その間、眠っているレオをくしですいてノミを取り、薬も首の後ろにつけた。


 昨日は重陽節供だった。母と同じ日に他界した母の妹(叔母)が、生前、俳句を趣味としていて、その作品を遺品として残した。
 何年にも及んで詠んだ俳句を書いたものを、叔母はこどもや夫と死別し、1人だったので、わたしが受け取ったのである。
 その中から、重陽節供について詠んだ一句があった。
 強かった叔母だが、その強さをもってしても耐えがたい困難が待ちうけた人生に立ち向かって生きた叔母を偲んで、その俳句を書いた短冊を部屋に飾った。

重陽の部屋に菊の香り満ちて居り」

わたしの拙い句をひとつふたつ

重陽を祝うゆとりなく過ぎにけり」
重陽の菊でしのぶ叔母の人生」