オハグロトンボ

 老犬レオが日中、外に出たがるときなど、よく裏庭に出すようにしている。ソメイヨシノや柿の木が植えてあり、特に午後は日陰になるからだ。
 その裏庭にだいぶ前から(三か月くらい前)オハグロトンボの姿を見かけていた。3〜4匹くらい。裏庭では今年初めて見かけるような気がするが、昨年いたかどうかわからない。というのはレオが裏庭で過ごすようになったのは今年になってからで、その前はいくつかの植木鉢の水やりをする時くらいしか、ここには足を踏み入れなかったから。
 いままでこの裏庭にいたのか、今年初めてやってきたのか、はわからないが、今年はまるで家族の一員のように、裏庭に行くといつもいる。あまり見かけるのでほとんど気にかけなかったが、インターネットで調べると、水草の多い川べりやせせらぎの近くに棲息するとあり、なんでここにいるのだろうと気になった。
 メダカがいる水がめは2つあるが、ここでオハグロトンボが孵化するとは思えない。裏庭の外に人と自転車くらいしか通れない細い道があり、30〜40メートルくらい先に、レオと冬から初夏くらいまでよく散歩していた用水路があるが、あそこなら孵化できるかもしれないと思った。水草はあまりないが水辺の植物なら生えている。あそこで幼虫が冬越しをして孵化して、成虫になってから、この裏庭にやってきたと考えるのがいちばんよさそうだ。
 ネットにも成長してからは林の中などで棲息するとあった。裏庭は木陰もあり、植え込みがいろいろで、住宅地の中の小さな小さな林みたいなものかも。
 こう考えると、無造作に見ていたオハグロトンボの姿をすこし見直したくなった。見かけは地味。姿形、飛び方、色すべて。細い尾はオスの方は玉虫色の光沢があり(今日よく観たら、深緑色の光沢だった)、その光沢をきれいだなと見ていたが。飛び方は4枚の黒い細い羽を揺らすようにする。止まるときは羽を折りたたむ。色はほぼ真っ黒。
 シオカラトンボ、アカトンボ、ギンヤンマなどに比べて、姿、飛び方ともにさっそう感がない。
 いつもいるというのも、ありがたみが少なくなる。夏の終わりに姿を見せるアカトンボはああ、もう秋かとある種の情趣をもたらす。
 ただ、林にいるオハグロトンボも繁殖期には川辺に戻ると書いてあったので、そろそろ姿を見せなくなるかもしれない。
 老犬レオを裏庭で歩かせた、オハグロトンボがいた夏をいつまでも憶えておこう。

昨夜から早朝にかけても、起きたり寝たりを繰り返した、老犬レオ。午前2時と午前5時に、家の前の道路に出したが、トイレはしなかった。その後、レオが起きたのは午後12時半、炎天下の中、レオは道路まで出たがり、庭に出したら目を離したすきに自分で駐車場まで歩いていったので、ほんの少しだけ家の前を歩かせた。
 夕方は6時過ぎまで寝ていて、起きてすぐ外に行き、おしっこ。家に戻ってきてまた眠ってしまい、8時過ぎにまた散歩に出た。今度はいつも行っていた用水路にかかる橋まで歩き、橋の上で夕涼みをした。12歳の柴犬を散歩させている女の人がレオをかまってくれた。がんばっているのねえ、と言って。
 バギーに乗ってレオの先輩犬(この秋で17歳になるはず)がやってきた。脱水状態になり、危なかったそうだ。意識がなくなり、失禁状態になったそうだ。もうだめかなと思ったそうだが、動物病院で点滴を2回打って、なんとか回復したようだ。水を飲んでいても吸収していなかったようだ。暑さも脱水症状の大きな原因。獣医師さんが言うには犬は人間が寒いと思うくらいの冷房でないといけないそうだ。
 レオはそんな涼しい部屋にいないので心配である。
 明日は満月。今夜は14夜。満月の一日前くらいがかえって、重たさがなく、きれいな感じがする。
 散歩から帰ってきたレオは夕ごはんはたくさん食べたが、歯ぎしりを起こし、悲しそうな声で盛んに泣いている。苦しいのか。痛いのか。辛いのか。
とりあえずレオを外に出して様子を見ようと思い、家の前の道路まで行くと、おしっことうんち。これが泣いた理由かと思ったが、しばらく歩いて家に戻ってもまだ泣いている。もうお手上げ。
 レオが落ち着いてなるべく早く眠るように、祈る気持ち・・・・・・・・・・・。


3本あるヒメリンゴだが、実が付いているのはこの1本だけ。
他の2本は1〜2個しか実が残っていない。
このまま秋になり熟してくれるといいのだが。



この春、生まれた子メダカがここまで大きくなった
最初、このガラス瓶に入れた時は1センチもなかった