電球が切れたことから

 夕方近く、トイレの電球が切れた。さっそく、いつも電球をストックしていた所を探したが見つからなかった。
 電球があると思っていた所から、亡き父が服用していた薬がレジ袋に3袋分出てきた。ここにしまった覚えはなかったが、すぐ捨てるのが嫌だったのだろう。袋を開けると、こんなにたくさんの薬を飲んでいたのかと驚く種類の薬が出てきて、父を介護していたころに戻ってしまった。
 抗生物質だけでもいろいろな種類が処方されていて、症状が出ると、ケイタイ電話で担当医に電話してどの薬を飲ませるのか聞いたことなどを思い出した。在宅医療を行っている病院で、いざというときは24時間体制で父の診察をしてくれた。父が痛みとか苦しさを訴えるときなど、夜中や早朝に担当医にケイタイ電話で連絡して家に往診に来てもらったり、救急車を呼んでもらうこともあった。
 この薬もそろそろ処分しよう。
 替えの電球がないときは、父母がいたころは隣の親戚の家がお店をやっていて、そこに買いに行った。電球からお茶、生活用品、お菓子類など、いろいろなものを売る、昔のよろずやみたいな店だった。母の姉が店をはじめ、その息子(わたしにとって従弟)が引き継いでいた。遠くのスーパーマーケットやドラッグストアなどに買い物に行けない人たちが利用していたが、店はだんだん客足が少なくなってきた。父母はこの店をよく利用していた。わたしに買いに行かせたこともあった。
 店を継いだ従弟が、母が亡くなってから一か月もたたないうちに亡くなってしまい、店じまいした。今では近くの電気屋さんに買いに行くが、そこでは、普通の電球がだんだんなくなっていくという現実に直面することに。新聞などで知っていたがやはり、という感じ。
 メーカーが従来の電球の生産をやめてしまったのだ。これからはLED電球の時代か。一瞬、どちらにしようか迷ったが、今までの電球にした。3つ買った。安いし、なんとなく父母がいた頃とつながっているような気がして、手に入る間はこれを使うことにした。


行燈仕立てにした朝顔が咲いた。
茎の色から濃いめの色の花だと予想していたが、
こんな紫色の花が咲くとは思っていなかった


 老犬レオが今朝起きたのは11時半ころ。こんなに寝ているなら、寝姿のスケッチをしようと、スケッチブックに描き始めて少したったら、もぞっと起きた。姿勢を変えて寝たりしていたが、やはり、わたしが描いているのが気になるのか、しっかりと起きた。といってもかわいそうなほど、立ち上がるのも大変で、時間がかかる。でも手はなるべく貸さないようにしている。時間をかけてでも自分で立ち上がった方がいいと思うから。
 立ち上がってもよろよろしてまた横になってしまい、また時間をかけて立ち上がる。そのうち、少しずつ、足元がしっかりしてくる。
 だが今日はいつもよりふらつきが強かった。道路には出なかったが、裏庭で1時間以上は歩いていた。


からだを伸ばしてリラックスして眠るレオ。
スケッチの途中でレオは起きて、姿勢を変えたりしていたがとうとう目が覚めた