白いボタンの恐怖(?)

 知人のブログに、トンボをこわがる女性のエピソードからはじまり、こども時代にさかのぼってヘビやクモが出てくる話しがあって、これを読んだら、3年前の夏の出来事を思い出した。
 そのころは仕事をしていて、その日は仕事関係者の納涼ビアパーティが開かれ、かなりアルコールが入った状態で、表参道から夜遅く家に帰った。老犬レオはまだ元気でわたしを喜んで玄関先で迎えてくれた。父は自分の部屋で寝ていた。わたしの部屋に入り、着替える間もなく、ふと上を見上げると足の長い大きなクモがいる。同時に黒ゴマのようなクモの子が白いボタン状のものからパーッと360度ひろがっていくのを見た。大きな母親クモと子グモのどちらに先に気付いたかは実は覚えていない。ほぼ同時だったような気がする。
 一瞬で何が起こったかを悟ったわたしは部屋にあった殺虫剤を手に取り、レオを部屋の外に追い出し、まず子グモに必死の形相で(見ていないのでわからないが想像するに)ふきかけた。子グモはすばやい動きだ。床に降りてきたものもたくさんいる。つかさずふきかける。同時に親クモにも殺虫剤攻撃をあびせた。
 全部の子グモをやっつけるまでかなりの時間を要したように感じた。闘っている気持ちだった。というのはこの無数の子グモが親クモのように大きくなったら!?という想像が働き、なんとしても阻止(?)しなければと思ったからだ。一匹でさえ、不気味で逃げ出したくなるのに・・・・・・・。
 クモの子を散らすように、という慣用句があるがこのとき、どういうことなのか目のあたりにした。文字通りクモの子は散ってゆくのだ。いま思い出しても鳥肌がたちそう(笑い)
 部屋にある押し入れの上に戸袋があり、その引き戸に白いボタン状のものは、突然現れ、張り付いていた。引き戸についている取っ手に似ている形状なので、なおさらなんだろうと思ったが確かめる気持ち(勇気?)はなかった。白いボタンのままで何週間か過ぎたように覚えている。そして、夏の夜、クモの子が散った。
 あのときの恐怖感といったら大げさだが(今は笑い話にできる)、この話しを浜松の友人に話したら、彼女にも同じ体験があり、カーテンから湧き出てきたクモの子を必死にやっつけた話をしてくれ、ふたりでそのときのことを思い出し、恐怖を追体験し、お互いの必死さに共感し、大笑いした。
 それから白いボタンを見たことはない。もう二度と見たくない。だが目の前にとつぜん、見慣れないものが現れたら、どうしよう。
 その白いボタン状のものだが、クモの子事件の翌日におそるおそるはがした。もちろん、中からクモは出てこなかった。


 今日は朝から雨が降り、一日中降っている。しとしとと梅雨のような雨。車で近くのホームセンターに行き、梅酒や梅シロップを漬けこむガラス瓶を2つ買ってきた。家には梅酒の入っている瓶が1つと、空の瓶が2つある。梅干しをつけてもいいな。
 老犬レオは昨夜も深夜過ぎに起きたので外に出し、その後も部屋を歩き回ってなかなか寝付かなかった。その反動で起きたのは11時ころで寝起きに発作を起こした。午後もう一回外に出し、その後、眠ったが夕方起きた時、また発作を起こした。朝起きた時がいちばん強い発作で、その後は軽くなる。食欲は旺盛と言うほどではないが朝ごはんはまあまあ食べた。
 その後は発作は起きていなく、夕ごはんはたくさん食べた。ただ、興奮して部屋を歩き回っている。


2009年7月のレオ。雨が降って写真が撮れなかったので、クモの子事件のころの写真を掲載。
ヒマワリが咲く河原で。


2009年5月のレオ。暑くなるとよく川に入って体を冷やしていた。
同じ年の6月に高熱を発する病気になり、その後は川に入らなくなった。