母の日に

 5月13日は母の日。昨年は5月8日だった。昨年の日記に大きく母の日と書いてあったので、今年も8日かと勘違いしていた。5月の第二日曜が母の日だということに気づいて、今年は13日かと思った。
 母の日は母のお墓参りに行くと決めていた。母が亡くなった翌年からずっとそうしている。他界してもわたしにとって母は母であり、ありがとうの気持ちは変わらないから。
 車で花屋さんに行き、アルストロメリアの花束を買った。母の日なのでいつもの日曜よりこみあっていた。レジに並ぶと、わたしの前で小学校の中学年と思われる少年がカーネーションの鉢植えを買っていた。千円札を2枚差し出すしぐさに、緊張感があり、その緊張がこちらに伝わってきそうだった。顔もこころなしかこわばっていた。こんな男の子に、カーネーションの鉢植えをプレゼントされる母親は幸せだな。
 アルストロメリアの花束を家に持ち帰り、白いシャクヤク2本と、ぎぼうしの葉4枚を足して、2つの花束を作った。家で咲く花を入れて、今こんな花が咲いているよと伝えたかった。
 お寺の墓地はいつもより花が目立つような気がした。母の日にお墓参りに来る人はそんなに珍しくないようだ。花屋さんにも赤いカーネーションの花束に混じって、クリーム色のカーネーションの花束があった。あれはもしかしたら、墓参用の花なのかもしれない。帰る時、花束を入れた大きな袋を持った若い男性とすれちがった。この人も母の日参りかなと思った。

花壇の手入れは、チューリップの球根をぜんぶ掘り起こして、ほぼ同じ場所に、グラジオラスの球根を植えた。ピンク色5個、黄色5個、色がわからない球根が2個。黄色はやわらかいクリームイエローだといいが、真っ黄色だとこの花壇で浮くかもしれない。今、グラジオラスの球根を植えると、咲くのは8月半ば頃。真夏ではあるが、秋の気配が漂い始める頃だ。できれば7月の終わりころに咲いてほしかったが、植えてから開花まで3カ月かかるので、4月末には植え付けなければいけなく、まだ春の花壇が盛りなので、植え付け作業をする気になれなかった。毎年、そうなのでいつもわが家の花壇ではグラジオラスは夏の終わりに咲くのである。

 老犬レオはあいかわらず歩かないし、くるくる回ってばかりいるが、苦しそうな歯ぎしりの発作は起こさなくなり、朝夜の食餌も完食するようになった。レオもわたしも今の落ち着いた状態が続けばいいなと思っている。