老犬の絵

 曇って、昨日よりひんやりとした朝。老犬レオが早朝、目を覚まして部屋を歩き回ったので起きてしまった。腕枕で寝かしつけてから、こちらが眠れなくなり、いつもより早く起床した。
 2日ぶりにsuki117さんのブログを訪問した。昨日のブログのタイトル「老犬」をクリックすると、老犬レオが眠っている絵が・・・・・・。思いがけないことにびっくりし、目が釘付けになった。ほほえんでいるかのような口元。丸みを帯びた小さな手足。ふさふさのしっぽ。レオの赤茶色の毛並みがきれいに描かれている。絵のタイトルは「陽だまり」。眠りをむさぼる犬のはかない命が伝わってくるが、レオはこの絵の中で生きていると思った。


 しばらくたって、雨が降り出していないので、庭に出た。駐車場の後ろに野菜を植えようと、小さな小さな菜園スペースを作ってあったが、買っておいた培養土や、自家製の腐葉土を入れて、土を耕した。苦土石灰をきらしているので、ホームセンターにいかなくては、などど思いながら。体を動かしながら、ふいに涙が出てきた。レオの命のはかなさが、あの絵からじんわりとやってきた。suki117さんのブログの「そうか、あとから生まれてきたのに先に追いこして天寿を全うするのか」ということばに、悲しさがこみあげてきた。10数年前はわたしより若く、元気いっぱいで、無茶なことばかりやって、はらはらし通しだった。台風が訪れ、濁流がうずまく河に飛び込み、泳ごうとしたことさえあった!もう、これでお別れかと思った瞬間だった。そんな犬がいまは年老いて歩くのもやっと。ここまで来るのにレオなりに紆余曲折があった。レオにとっていちばん辛かったのは家族との別れだろう。かわいがってくれた人がとつぜん、いなくなり、どうしてなのかもわからない。
 レオの絵とブログのことばを見たとき、うれしかった。その後で、いろいろなことを考えて、レオを想い、涙が出てきた。今、廊下で寝ているレオにとっては、わたしの涙など関係なく、気持ちよく寝て、気持ちよく食べて、少しだけ歩いて、いろんな人に声をかけられて、日々を過ごしてほしい。

 夕方、雨が本降りになった。そろそろ散歩かなと思いつつ、廊下の端を見てみたら、4枚敷いたトイレシートのうちの一枚におしっこがしてあった。5回失敗して、やっとシートの上でしてくれた。ささやかなことだがやったーという気持ち。


昨日描いたレオのスケッチ、体調が良くないので、顔の表情や眠る姿勢にもあらわれているような気がする