鉢植えのジャカランダ

 寸鉢に植えた13〜4年来のジャカランダの木があるが、他の植物は寒さ対策が必要なものはしたのに、この木のことはすっかり忘れていた。最低気温が氷点下の日も雪の日も、普通に庭に置いておいた。葉が赤茶色になって落ちかけているが大丈夫だろうか。13〜4年もの間、外にずっと置いていたので枯死することはないと思うが、最初の5〜6年は冬になると鉢の周りにクッション性のある梱包材をまいてさらに何重にもした新聞紙をまいて、耐寒対策をした。ただ、現在は二重鉢にしてあるので、なんとかこの冬をしのいでくれると思う。
 ジャカランダは南米原産の落葉高木で、いろいろな種類があるそうだが日本の桜と同じように葉が出る前に花が咲く種類もあるそうだ。紫色のきれいな花が咲くというが実際に咲いているジャカランダの花はまだ見たことがない。ただ、ポルトガルリスボンに行った時、市内でジャカランダの木を見たことがあるし、北部のポルトの街に訪れた時、ポルト川上流の街にある博物館かお城かで、南米から嫁入りした王女様が持ってきたというジャカランダの木で作り装飾をほどこした、美しい飾り棚を見た。オーストラリアのパースに行った時も、郊外のワイナリーの庭に、びっくりするくらい高木となったジャカランダが何本もあって、あたりを薄暗くしているほどだった。
 日本でよく見かける木で例えれば、ケヤキや神社仏閣に植えられている松ほどの高さになる種類もあるというジャカランダ。わが家ではとても地植えなどできないが、なんとか鉢植えで高さを抑えながら、花を咲かせることはできないかと手入れしてきた。ただ、ここ4〜5年は手入れもさぼっている。最初は12センチくらいの鉢に入っていた苗木を少しずつ鉢を大きくしながら育て、寸鉢に植え替えたのは7年前くらい。それから鉢は替えていないのでかなり根詰まりしているはず。剪定の仕方が甘いのか、どんどん上へ上へと枝が伸びていき、下のほうの枝はなくなり、見栄えが悪いので昨年の夏の終わりに、思い切った剪定をした。主幹から伸びる太い枝も切り、もしかしたらこれで枯れるかも、と心配したが、切ったところや主幹の下のほうからも思いがけなくたくさんの枝が伸び、葉が茂り、ほれぼれするような樹形によみがえり、シダのような葉が涼しげで美しいので観葉植物としても楽しめるようになった。
 そのジャカランダが春になって、また、きれいな新緑を見せてくれるのが待ち遠しい。できればいつか花が咲いてくれるとなおさらうれしいのだが。