秋たけなわの庭


春たけなわということばをよく聞くが「秋たけなわ」という言い回しはあるのだろうか。
わが家の庭は秋をひかえめに謳歌している。たけなわという言葉は大げさかもしれない。夏の名残りのニチニチソウも(涼しくなったためか)小さな花を咲かせているし、夏越ししたブルーサルビアも咲いている。千日紅(センニチコウ)もかなり長い間、花壇を彩っている。
ダリアは初夏に咲き、真夏は休み、秋になってさらにきれいな花を咲かせている。秋のバラも(そんなに手入れが良くないので)たくさんではないが、ちらほらと、黄色いイングリッシュローズの”シャルロット”や、現代バラの”スブニール・ド・アンネフランク”、名前も知らない黄色い現代バラ、白いミニバラなどが咲いている。だがこれらは秋の花とは言えない感じがする。
わが家の花壇で、これは秋の花といえるのはキクとパイナップルセージのふたつかもしれない。
パイナップルセージは、この季節だけ(10月ごろから11月くらいまで)深紅の花を次から次へと咲かせる。近くの花屋さんに売れ残りをもらったもので、小さなポット苗が大きくなり、30センチの鉢に植えてある。花色は鮮やかだが、花自体は地味で(?)それほど愛着のある花ではなかったが8年ほど、育てていると秋にはこの花がないと・・・・・・という気持ちになるから不思議なものだ。
キクはいろいろなキクがある。花屋さんで買って、花を楽しんだ後、春になり、小枝を切ってさし芽で育てたもの。嵯峨ギクやポットマムなど。
日本小菊のタネを買って、自分でまいて育てたものもある。花壇には黄色い日本小菊が咲いているが、これは何種類か植えた中で唯一、残ったもの。もっときれいな小菊があったのだがいつのまにか消えてしまった。今咲いているキクの花は、それほど丹精をこめていない手入れにもかかわらず、生き残ったもの。だがずっと咲き続けてくれたという気持ちからか、今年の秋は今までの秋より、これらの生き続けたキクたちとパイナップルセージの花がひときわきれいに見える。