映画『幾春かけて老いゆかん』を見に行く

 武蔵小杉の歌会の仲間と映画を見に行った。

 朝は空気はひんやりとして猛暑日から解放された。こんな日に出かけられて、

ラッキーと思った。二子玉川から電車を乗り継いで新百合ヶ丘へ。駅から5分ほどで川崎アートセンターに着く。『幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々』が上映中だ。

 10時から2時近くの上映時間。93歳から94歳までの馬場あき子さんの歌人として、能楽師としての日々を追っている。朝日新聞の歌壇に投稿された短歌(はがきに1首書いて送られてくる)を自宅で選歌する場面から始まる。コロナ禍で、以前は新聞社で選歌していたのが自宅になったのだ。

 馬場あき子さんの現在を追いながら、歌人として、また能楽師としての歩みを過去の映像とともに紹介している。 

 短歌に口語を取り入れたきっかけなども馬場算の口から語られている。 

 光合成だかの短歌も文語だけの短歌も自由自在に作ることができるとも。

 馬場さんが創作をされた新作能「利休」を新潟で上演した。その舞台の映像は素晴らしかった。利休を演じた能楽師か馬場さんに挨拶をするところもとてもよかった。

 新潟はわたしの親友が17年前に他界した地で、万世橋の映像に胸を打たれた。葬儀の夜、新潟に到着した、あの橋の夜の佇まいがとても印象的だった。

 短歌を作る人として、参考になったり、学んだりする事も多い映画である。

 映画を見終え、新百合ヶ丘駅前まで歩き、ランチを食べた、店にはいる前は陽射しが出ていたのに、食事を終えて外を眺めるとどしゃ降りの雨だった。外に出ると雷も鳴っている。駅まで40メートルほど傘をさして歩いた。