午後は友だちが家に来た

 ほとんど一日中雨が降っていた。

 雨の中、家の前の道路にせり出すように伸びている槿の枝を切った。車を避けるために通行人が道路の端に寄るとこの枝が邪魔になる。特に雨の季節は濡れた枝に体が触れるなど、嫌な思いをさせてしまう。

 傘をさしての作業だが、大降りではないのでそんなに大変ではない。ついでに道路のほうに伸びている葡萄のつるも切った。

 この時期、剪定したい木がいくつかあるので、雨が止む日が早く来てほしい。あまりカンカン照りだと庭仕事は暑くて大変なので、曇りぐらいの日がちょうどいい。

 先週、友だちと電話でやり取りをして、今日わが家に来てくれることになった。

 雨なので車で移動するとのことで、到着の時間が流動的だ。1時間くらいの幅でわが家に来る時間を決め、途中ラインで着く時間を知らせて来た。

 その時間よりさらに15分くらい遅れて着いた。駐車場を見つけるのに時間がかかったとのこと。いつも使っている大きな駐車場が満車で、他の駐車場を探すのが大変だったようだ。

 1時間あまりリいくつかの打ち合わせをした。ときどき雑談にも興じた。いや、雑談のほうが多かった。話の脱線を楽しんだ後、われに返って話をもとに戻すことを繰り返した。

 帰りは友だちを駐車場まで送った。ついでにわが家に近い駐車場を教えてあげたが、雨の日で車で移動する人が多いのか3台の駐車スペースがいっぱいだった。

 友だちが車を停めた駐車場は2台分のスペースのさらに小さなところ。前の道路は車が二台すれ違いができない幅しかない。

 この辺りは狭い道路が多く、しかも一方通行ではないのですれ違いがとても大変だ。すれ違いができずに戻らざをえない車を見たことがある。

 友だちの車を見送って家に帰ろうとすると、知人に会った。1年半以上前、近くの特別支援学校内にあるカフェでよく話した人の一人で、コロナウィルスの感染拡大の後はこうして道でばったり会う以外はまったく会うことがなくなった。なつかしいと思う気持ちが沸き上がったが、また同じ生活に戻れるようになってもあまりうれしくないと思った。

 わたしのなかで何かが変わったような気がする。どこそこがこのように変わったと言葉ではっきりと表せないが、いつか言葉にできるときが来るだろう。心の内に目を向ける時間を大切にしたい。

 

 知人との立ち話を楽しんだ後、家に帰り、しばらくして買い物で出かけた。その帰り、近くの川に寄ると、軽鴨ルパンと親とはぐれたひな鳥がいた。ルパンがすいすい下流に向かい泳いているがその後にぴったりとついてひな鳥が必死に泳いでいる。疲れたのか、それとも草を食べるためか、石の上にひな鳥が乗るとルパンを泳ぐのをやめて、ひな鳥の様子を見ている。二羽は一緒に行動しているようだ。このまま、二羽の仲がうまくいきますように。