寒い朝、ヘリオトロープが蒼ざめる

 東京の朝は今季いちばん冷え込んだ。
 水瓶の目高は底に沈み、なかなか動きださない。
 花壇に植えたヘリオトロープの葉の縁に小さな露がいくつもついて、心なしか葉が蒼ざめて見える。この花は亜熱帯地方の生まれで庭では冬を越せない。掘り起こして、鉢に植え替え、家の中に入れる時季が近くなった。
 起きてから手先が冷たく身体が冷えていたので小さな湯たんぽを入れてあたためた。だが身体を動かし(テレビ体操をした)、朝食を食べるとだんだん身体が温かくなった。
 気温が上がってきたお昼前に庭に置いてあるもう一つの目高の水瓶の水を取り換えた。11匹いたはずの子目高が7匹に減っていてがっかり。なんか最近、目高の数が少なくなったなと思っていたが水が濁っているのでよく見えないのだろうと思っていた。
 貸出期限が過ぎた本が5冊あり、気になったので午後は車で図書館に行った。5冊のうち、2冊は再度借りて、新たに3冊の歌集を借りてきた。家に読みたい歌集がないとどこか落ち着かない。まるで依存症のように。
 図書館から車で足を伸ばしてスーパーマーケットとホームセンターを兼ねたような店に行った。1階が食品を中心に靴や草花なども売っている。2階は衣類、下着類、寝具、ホームウエア、洗剤類、電気製品、文具、アウトドア用品、スポーツ用品・・・・・・・。
 靴ひものない靴を一足買った。近所の買い物、庭仕事用に、家の出はいりが多いので靴ひものあるスニーカーは使いにくい。

 
 晩秋のヘリオトロープ朝の冷えに葉は蒼ざめて露を結ぶ

 わが母もこの店にて髪切りき客を待つ男通りより見ゆ 

 名をいく度聞けども憶へぬ犬なれどわれに親しみ鼻を寄せくる