少しづつ秋が深まる

 陽射しが弱く空気の冷たさを感じるようになったが、風があまりなくそんなに寒くなかった。ただ、街行く人の服装を見ると薄めのダウンを着ている人もいて冬が近づくのを実感した。
 秋の深まりに背中を押されるように花壇にチューリップの球根を植え付けた。「バレリーナ」というオレンジ色の百合咲きの品種で、わたしがチューリップの球根を植えるようになったきっかけの球根である。あるところからたくさんのチューリップの球根をもらったがそのなかに「バレリーナ」があり、その咲き方、花の色が強い印象となって残っている。
 6個の「バレリーナ」を植え、その周りに忘れな草の苗を花壇の他の場所から掘り起こして植えた。チューリップの鮮やかな花色に、青色の忘れな草をあわせるのがわたし流の春の花壇の作り方である。モネの庭の写真に、赤いチューリップと忘れな草が咲く花壇があり、これを参考にしている。
レモンバーベナを植えたプランターにはヒヤシンスの球根と淡い黄色のパンジーを植えた。レモンバーベナは枝葉を刈り込んだ。レモンの香りがする葉っぱを浴槽に入れてハーブ湯を楽しむつもり。
 暗くなり始めてから買い物にでかける。帰りはすっかり暗くなり、川沿で犬友だちに遇った。柴犬レオと仲が悪かった黒いラブラドールレトリバーを連れている。腎不全で衰えてきた老犬ももこがわたしに抱かれながらこの犬を威嚇していたのを思い出し、寂しいけれどほんわかした気持ちになった。
 黒ラブが他の大型犬と喧嘩になったと話したがその相手の犬の犬種名が思い出せない友。わたしはア行からワ行まで友だちの前で言って思い出してもらおうとしたが思い出せない。しばらくして突然思い出したのは「バーニーズ」という犬種名だった。ああそうか、あの後濁音まで続ければよかった。
 帰り夜空を眺めると月が出ていた。十三夜には少しは早い月が。家に帰りネットで調べると今夜は12,4日目。明日がほぼ十三夜。