きれいに整えられた庭木

 昨日に続き植木屋さんが庭に入り、朝の8時過ぎから夕方4時頃まで庭木を剪定した。
 午前中は道路に面したところに立っているサワラの樹に集中した。ふたりがかりでほぼ半日かかった。サワラは檜の仲間で葉っぱに強い芳香がある。
 サワラの木の周りにその芳香が漂う。巣作りの季節は鴉がサワラの枝を嘴で切り、くわえて持って行く。防虫・防菌効果があるのだろう。
 切り終えた庭を眺め回して、すっきりとした樹も時が過ぎればまたうっそうとなることを思った。この繰り返し。父が他界し、庭の手入れをわたしがすることになり8年間、繰り返してきた。
 同じことをやり続けることは幸せなことかもしれない。今年もまた庭の樹をきれいにすることができたとしみじみ思った。1本、父が植えた常緑の高木を伐採してしまった。この家を見守ってきた樹が1本失われたことは寂しいが、家の裏手に立つ存在感の薄い木だった。それでも長い歳月を生き続けた。無くなってからその存在感が増したような気がする。
 一枚もこの樹の写真を撮ったことがなかった。今はわたしの記憶のなかに残るだけ。