植木屋が庭に入る

 朝から晴れたが朝は気温がかなり下がった。東京はこの秋でいちばん冷え込んだ。
 日中は風があるが陽射しはおだやかであたたかい。
 8時過ぎに植木屋のトラックが来たので庭に出て話した。裏手に植えた常緑高木を伐採してもらうことにした。二階の屋根より高くなり、一年中葉が青々としているが剪定を怠ると日が射さないところの葉が枯れて落ちてしまう。剪定にはすごく手間と時間がかかる。わが家には同じような常緑高木があと2本もあり、そのうち1本は大木になり二人がかりで半日かかる。
 植木屋の手間賃は高いので、手間のかかる木はあまり目立たないものから伐っていくことにした。裏手の木はほとんど目に入ることはないが、裏手の細い道を歩くとき、わが家の目印にはなってくれていた。その木を伐ったので寂しく思うときもあるだろうが、父が残したすべての木を抱えていくことが負担になってきたのでしかたないと思うことにした。
 大木となった柿の木も植え木屋に枝さきや混み合った枝を切ってもらい、柿の実を収穫してもらった。あまり高いところになっているのであきらめていた柿の実が思ったより多く、近所の友だちに持って行った。

鉄橋を光連ねて行く電車 自由とふ名の駅に向かつて

歌会の帰りに乗りし電車がわれを載せずに鉄橋わたる

灯をちりばめ立つビル群の空との境にまたたく赤