犬の命日、明治神宮歌会へ

 2年前の今日、老犬ももこが死んだ。午後3時少し前に。
 朝早く、花壇やプランターに咲く百日草を切り花にして、ももこの写真の前に供えた。
 短歌を詠っているうちに外出する時間が来た。歌に集中したのでバスの時間を忘れ、遅れそうになった。
 バスや電車・・・・・乗り物は冷房がきいているが外を歩くと猛烈に暑い。JR原宿駅前はいつもより混み合っていた。よさこい祭りが開かれ、全国から踊り手たちのグループが集い、明治神宮の鳥居の近くに作られたステージで踊りを披露する。人いきれと踊りの熱気と強い陽射しがあいまってくらくらするほど暑い。
 参道に入っても暑い。空気そのものが熱せられている。
 歌会の会場となる社務所は冷房が効き過ぎるくらいで汗が引いたらこんどは寒くなった、持ってきたショールでからだをくるんだ。
 8月の月次歌会の講師は森山晴美先生。当座は「踏む」。まったく予想していなかった題である。

 麦秋の村やわらかき土踏みて電車一両が過ぎるを眺む

 あまり出来のよくない歌で自分でも哀しくなる。

 こんな歌も

 夏落ち葉人に踏まれぬ道ばたによりそふがごと重なりをりぬ

 日傘手に背にしたたる汗もろとも踏みしめるがに坂道のぼる


 (ももこに)

 犬逝きて二年経れど在りし日の大き目鮮らけく浮かびくる

 不在とふ変えやうのない現実をとにもかくにも生きながらへぬ

 夏庭を百日草が彩へれば犬の忌日の供えとしたり