大雪以来はじめて車を運転した

 8日前に東京に大雪が降ってから車に乗らないようにした。わたしが住んでいるところは坂が多く、高齢者の世帯が多く、さらに一軒当たりの敷地が広いため家の前の雪かきをしない家もある。下りの一方通行の坂道でカーブになっている所にずっと雪が残り凍りついているのを歩きながら見ていた。こんなところを運転するのは嫌だと思っていた。
 今日は予約していた本が図書館に届いたとのメールが少し前にあり、雪が残り行けないので取り置き期間を伸ばしてもらったのだがその期限の日だったので車で行った。
 多摩川の土手を走る道路から中原街道を横切り、図書館に行く道はほとんど雪がなく軽快に運転できた。予約した本は栗木京子さんの最新の歌集で「南の窓から」という。あるホームページに2016年の1年間、1日1首詠み、短歌日記として掲載したものを一冊の本にまとめた。2016年は老犬ももこがこの家にいて、8月に死ぬまで闘病生活を送った年なのでこの時期を重ねあわせて読みたいと思い、予約したのである。大田区の図書館には蔵書がなく、新しく買い入れてもらった本だ。
 本を受け取り、さらに車でちょっと離れたスーパーまで行った。いくつかの買い物をして帰りは桜坂を通った。駅前までは雪は気にならなかったが駅近くの住宅街は車道に溶け残った雪が凍り付きじゃりじゃりしている。しかも、小学生の下校時間に重なり、道に出て残った雪を踏みつぶしている子もいたので遠回りし環状8号線に出て、少し離れた坂道を下って帰った。こちらは車の通りが多く、きれいになっていた。
 まだ車道がきれいになっていないのに、今度の木曜あたりに雪が降る可能性があるとの天気予報。困ったことだ。


零下の日凍りつきし水栓をひねりて鉢に水をほどこす

積む雪の下より姿あらわしぬ矢車草の緑すがしく

父が生れし湯西川に一夜泊まり山あひのいで湯に抱かれたり

湯西川は平家の落人部落とぞ渓流沿い父の生家ありき