大田区文化祭短歌大会に行く

 雨の予報だったのが修正されて今日は晴れるとの予報になった。早朝起きて庭を見ると湿っているので夜中過ぎに雨が降ったようだが朝は上がっていた。そのまま晴れて陽射しが出て雲は多めだが青空がひろがった。
 最近では珍しく5時半ごろ目が覚めほとんどすぐ起きた。家を8時半ごろ出たかったのでゆっくりと準備をした。
 10時から開催される大田区短歌大会に参加するためだ。
 東急池上線池上駅から歩いて7〜8分だが早めに駅に着いたので周辺を歩いてみた。10月の初め頃、池上梅園に生け花展を観に行ったがそんなに遠くないことがわかった。近所の知人が眠る墓地も徒歩で行けるところにある。昨年秋と今年の春、2回この駅で降り、池上会館まで歩いたがそのときは周辺を見渡すよゆうがなかった。3回目にしてそのゆとりが出てきた。池上駅周辺はかなりおもしろいスポットのように思えた。
 会場につく前に知り合いの女性を見かけたのでいっしょに会場に入り、隣りに座った。
 今回の選者は「短歌人」編集長の藤原龍一郎先生。選者賞を5人選ばれた。その他に大田区長賞や葛原妙子記念橙黄賞、大会賞、互選賞などがある。今回、わたしは何にも選ばれなかったが、選ばれた方々の作品を始め、参加者全員の作品を参考にさせていただいた。
 藤原氏は賞を取ったすべての作品と、その他の大会に出席している方の作品をぜんぶ講評をされた。当日会場の来なかった人の作品は賞をとっていなければ講評されない。
 このことで参加者からその場にいてもいなくても全部の作品を講評してほしいとの意見が出たが、主催者はこのような講評の仕方に落ち着くには紆余曲折があり、いまのやり方への理解を求めた。
 今回の講評のいちばんのポイントは、過不足のない適切なことばで自分のいいたいことを伝えているかという点。ことばが多すぎてリズムが詰まったり、しつこい印象を与えることがあるが反対にていねいに説明すべきところを省略して伝わらなかったり、作者の思いがじゅうぶんに表現できないことがある。
 効果的に歌うためにいらないものを省くことが大切だが、自分でわかっているからといってことばを省くと相手に伝わらない。ことばの選択こそ重要。
 藤原氏の講釈に、主催者側の歌人が疑問を呈することもあり,ひとつの歌に対して多様な見方ができるということがわかったのも収穫。藤原氏も作品の添削はしないが、こういう詠い方もあるという提案はされた。その提案はあくまでもひとつの考え方であり、別の見方もあるのだ。


 歌会終へ出初めの満月おほき面は東の雲間に

 もと蕎麦屋の古民家2階カフェオレ味わい歌会疲れをほぐす

 歌会の会場出でて街川の橋を渡れば日常の顔 

 多摩川を渡らぬ電車に乗りたれば庶民の街を通りすぐ

 池上駅 商店連なる街並みは前世で歩いたようになつかしき