朝方に見た夢

 6時少し前に目覚めたが夢を見ていた。
 家に父と母とわたしがいて、母は仏間〈以前は寝室〉に布団を敷いて眠っている。父とわたしはわたしがいま寝起きしている部屋にいる。父に夕食は何を食べたいかと聞くと意外なものをリクエストしたが家にはなく買いに行かなければいけない。夜8時頃なので店が開いているかどうか心配しながら車で行こうと思っていると突然電話が鳴る。父が受話器をとり相手と話し、わたしに受話器を手渡す。
 自分の名前を言って電話に出ると、受話器の向こうから聞き覚えのある友だちの声。一昨年から疎遠になっている友だちである。何を言っているのか意味がわからない友のことばを聞きながら、買い物に間に合うだろうかと心配になる。そこに母が起きて電話をしているわたしの後ろをすたすたと歩き台所に向かう。母の元気な足取りに夢の中のわたしは驚き、ここで目が覚めた。
 父母は50〜60歳代くらいで若く元気になっていた。電話の友だちは反対にどこかおかしな雰囲気だった。
 夢の中に出てくる友だちは自分自身のことであるという見方があるようだが、ちょっと考えさせられる夢だった。
 友だちから電話をもらった夢がきっかけになり、現実の世界で気になっている友だち〈夢の友だちとは違う友だち)がいることに気づかされた。夢とは反対にこちらから電話をしようと思ったがいつのまにか忘れてしまい、夕方近くになり思い出し、電話をしてみた。
 携帯に電話をすると呼び出しと同時に留守録に変わり、いつもと違うので少し驚いた。伝言を残し、携帯をあまり使わない友なので念のため自宅に電話するとこちらも呼び出しと同時に留守録になり違和感を感じた。いままでは何回か呼び出し音が鳴り、留守録に変わっていたから。
 友だちのお母さまが認知症を患っているので、友だちがいないときに電話に出で話すことがないように設定を変えたのかもしれない。従妹の家も電話をするとすぐ留守録になり、こちらが名乗ると家人が電話に出る。
 友だちとは7月の末に電話で話したのが最後でその後で何かあったのだろうかとやや心配である。


 道ばたに赤き彼岸花ふたつ咲き彼岸近しとわれに告げたり

 寝覚めの夢に友より電話ありしどろもどろのなつかしき声

 夢のなか父母が元気におはせば目覚めて後はほのぼのしたり