ちょっとうれしいこと

 あたたかくなるにつれて庭の花たちが次から次ヘと咲いてくるのを見るのは大きな喜び。
 これに対してちょっとうれしいことがあった。歌を詠んでいても足踏み状態で手ごたえがぜんぜんなくてやるせない気持ちだったが、ある新聞に投稿した歌が選者の歌人に選ばれたのである。その方が選んだ歌のいちばん最後の歌だったがわたしが詠いたかったことを汲み取ってもらえたと思えるからうれしい。
 
 落花せる赤き椿の花びらの冷たさにふれ手のひら驚く

椿の花は花ごと落ちる。花びらが幾重にも重なった椿を拾おうとしてふれたとき思いがけない冷たさに驚いたことを詠った。手のひらで受けたその冷たさは昨年亡くなった老犬ももこにどこかで重なっている。

 今日は朝から晴れて昨日より気温が上がった。午後は外に出てペンキ塗りの続きをした。だんだん慣れてきてコツがつかめてきた。違う色を塗るところにマスキングテープを貼って色がはみ出したりするのを防ぐのだが、貼り方がうまくなった。うまくなるとは短時間で出来るということ。少ない労力でできるようになった。

 今日詠んだ歌を少し

 父が建てし家の戸袋のペンキ塗るいつまでわれはこの家に住むのか
 ひとりになるわれを父は心配せしと今に思へば泣けてくるなり
 去年(こぞ)の夏生きし証しに空蝉は壁にとまりぬ同じ姿で

 李の花いよいよ白く咲いてをり甘い果実を胸算用
 桃の花さくらの人気に押され気味なれどこの愛らしさを見よ 
 桃の花リボンをつけた少女のやうひと花ひと花目立ちて
 愛犬の名はももこという桃の花ひときわ愛らし今年はなぜか



今年の芍薬の芽が出た
今年の秋に念願の(?)植え替えをしたい
父が植えてから十数年、この鉢に植えたままだから