今年はどんな年になるやら

 年明け早々、図書館の係りの人と行き違いで言い合うことになり、あ〜あ初もめ事になった。
 気持ちがむしゃくしゃするがイメージの世界で、もめ事というゴミを地球の外に蹴り出した。さっさと消えろと。
 今日は年明け初めてのゴミ回収の日。朝早くから各家庭のゴミが出され、大山盛りになった。ちょっといい加減にゴミを出すとたちまちカラスのごちそうになってしまう。網目の大きなネットからカラスが鶏もも肉の皮を引っ張り出し、咥えて低空飛行していた。わたしの背の高さより少し高いくらいをこちらに向かって飛んでくるので思わず身体をよけた。
 今年もカラスとの闘いは続きそうだ。共存ときれいごとを言っても人間の都合が優先するわけで、カラスの都合に配慮するわけではない。
 わたしにとっては同胞である人間とも共存しつつ、どこかで闘うような気持ちもある。闘いというとことばは強いが、人間への違和感と折り合いをつけるというほうがいいかもしれない。
 人間に生まれ人間として生き、人間として死ぬことから逃げることはできず、今年も何とか日々をしのいでいこう。
 仏間にいまだ置いてある老犬ももこが病気に倒れてから食べた缶詰や、食べ物を口に入れるためのシリンダー、発作止めの座薬などをどういう風の吹き回しか今日はまじまじと見てしまった。いままでは部屋の隅にあるのをちらっと見る程度だったのに。袋の中を確かめて、このシリンダーはとうとう使わなかったとか、家でももこの尿を採取するための入れ物を見て容体が急変して尿検査をする必要がなくなったことなどを思い出した。
 どんなにももこの治療に力を尽し、看病に力を注いだかがよみがえってきて号泣した。最後のほうの衰弱したももこの様子もまぶたにありありと浮かんだ。ひとしきり泣いて悲しみの発作がおさまった。今年もこういうことが何回もあるだろう。

 
 老犬に食べ物流し入れにきシリンダー見て涙あふるる

 水中に墜ちたる空蝉のよみがえるさま見たれば目が覚めたり

 ツイッター軽くつぶやけば軽く動くこの世界の軽さあやうし

 白い素肌のぞかせおり冬の陽をあびている白梅のつぼみは

 紅梅の花の話す声がする にぎやかさ増してむつきむいか


梅の花が咲き進む速さに驚く

わが家でいちばん最初に咲く白梅
つぼみの先が割れて白い花びらが顔をのぞかせる
昔は花が咲くのがうれしかったが今年はもっと複雑だ
咲いて咲き進んで終わるということが身にしみる

白い刷毛雲と半月の影が青空の岸辺に流れついた