今年初めて友だちとランチを食べる

 朝から雨が降り、気温が下がった。
 午前中、浜松に住む友だちから電話があり、愛知トリエンナーレの話を聞いた。先週、一日かけて名古屋市の会場をいくつか回ったとのこと。前もってどのようなアーティストがどのような作品を発表しているのかを下調べして、見たいと思う展示を重点的に周ったそうだ。現代美術の作品展示は作品に向かったとき、ストレートに作者の表現したいことが伝わらないことがあり、こちらの感性や思考を試すようなところがあって、たくさんの作品を見ると疲労感が蓄積してしまうことが多々ある。友だちはわたしも見てみたいと思わせるようにいくつかの作品を解きほぐし説明してくれたのでよかった。
 午後は友だちと昨年末以来会うことになり、東京メトロに乗って日比谷にでかけた。思えば老犬ももこの介護や闘病生活の看病で、今年はまだ一度も外で友だちを会うことがなかった。月に一度の歌会には時間を短縮してでかけていたが、ゆっくりと時間をとって友だちと会うことは出来なかった。もちろん、これはわたしがそうしたいと望んだことで、ももこのために時間を使ったことはよかったと思っているし、もっとももこのために出来ることはしたかったと思っている。
 友だちとランチを楽しみ、心ゆくまで話を楽しむ時間がとれるようになったことがうれしいがどこかで哀しくもある。それはももこを思うから。
 日比谷シャンテ2階の栗原はるみさんの家庭料理が食べられるお店でランチをとり、帝国ホテルロビーで語り合い、最後は無印良品のカフェで締めくくった。友だちは夢の話が大好きでお互いが見た夢の話をしたり、30年以上のつきあいなので昔の知り合いの話しもした。老犬ももこの写真を見せて、言葉少なくももこについて話した。これから観に行きたいと思っている江戸琳派の異色絵師、鈴木基一の話もした。朝顔の絵がすばらしいと友だち。わたしも朝顔の絵をとりわけ観てみたい。

 帝国ホテルロビーのシャンデリア一期一会のひとびと照らす
 
 老犬の写真見てかわいいと友が言いたれば胸底うずく

 子犬から飼えばいいと言いし友亡き犬思えばわれうべなえず

 夢語り部ライオン飼いし夢語る夢好きの友引き込まれたり