老犬ももこが歩けなくなった

 朝から雲が多く、風は強めだが湿気がある。暑くはないがべたっとする感じ。
 しばらく前から横になった状態から立ち上がれないことがあった、老犬ももこ。立ち上がれることの方が多いが、できない時は手を貸していた。歩くときは身体が右に傾き倒れそうなので、手を添えたりわたしの足を支えにしていた。
 昨夜からそういう歩き方もできなくなった。ももこを抱いて玄関外に出して立たせてあげ、腰を後ろから両手で支えても前足を踏み出さなくなった。今まではそういう状態からゆっくりと自分で足を前に出していた。
 未明の午前2時過ぎに何かの気配で目を覚ますとももこがベッドから立ち上がり、障子を支えに立っていた。おしっこがしたいのかを思い、外に出そうと思ったがすぐ横になってしまった。敷いてあるタオルは濡れていないので、湿っているのが不快で立ち上がったのではなかった。様子を見るため、コンセントライトを点けたまま、こちらも横になるとももこはそのまま眠ってしまい、こちらも眠りに落ちた。
 朝は5時半ごろ、ももこが目を覚まして先に起きたわたしの様子を横になったまま見ている。ももこが寝ているベッドの下のバスタオルを手で探ると湿っていた。その下に敷いたトイレシート2枚も濡れ、さらに下の羊毛布団も湿っていた。ちょうどトイレシートの境目のところにおしっこをして布団までもれたようだ。ももこを抱いて乾いてるバスタオルのほうに移動させた。夜中におしっこを漏らすことが多いももこのために布団には5枚のバスタオルが敷いてある。濡れたタオルの上では気持ち悪いので気がついたらすぐ場所を移動させるようにしている。
 歩けなくなったももこはそれでも横になった状態から立ち上がろうとしするので手を貸して立ち上がらせるが、手を貸してやっても歩くのは難しく、また倒れて横になってしまう。こういうももこを見て、涙が出てきた。この家に来た時から特に後ろ足の調子が悪かったが年だから仕方ないと思って見ていた。それでも元気な時は長い散歩もできるほどだった。だがだんだん長めの散歩をしてから次の長めの散歩までの時間が長くなり、去年の終わりごろからは二か月に一回くらいここまで歩けるんだという散歩をした。
 最後に長めの散歩をしたのは2月の終わりころだと思う。柴犬の友だち犬がいっしょだったかもしれない。
 今朝のももこは朝ごはんはふつうに食べた。後ろ足をわたしが支えて立ち上がった状態で食事をするが、それでもだんだん腰を下ろしてしまうので食器を置く段ボールの高さを少し低めに変えた。こうするとぺたっとお尻をついた状態で食べやすくなる。

 昨日に比べ気温が下がり、庭仕事がしやすかったのでお隣との間の生垣であるベニカナメを数本剪定した。昨日は3本ほど剪定し、切った枝葉がそのままになっているので合わせてゴミ袋に入れた。
 午後は小枝が伸び放題のライラックを切り詰めた。あと葡萄の花を間引いた。花が多いと実がまばらにつくそうなので数本除いた。

 ももこは午後5時過ぎになってまだ眠っている。そろそろ起きそうだが、元気な頃はこの時間は夕ご飯を食べている頃で、3時頃から食事を催促して部屋を歩き回ることもあった。今は出した食べ物は全部食べるがあのときのような食欲はないのかもしれない。
 ももこが目を覚ましたので外に連れ出してみた。首輪をつけて地面に立たせ、後ろ足を支えると歩き始めた。駐車場のスロープが抱いて下ったが抱かれたままおしっこをした、家の前の道路を数歩きまたおしっこをし、数歩移動して3回目のおしっこをして家に戻った。覚束ない足取りではあるが自分の足で立っておしっこをしたいというももこの気持ちがわかり、少し安心した。手を貸せばほんの少しだけ歩けるみたい。