庭木の剪定など

 陽射しの少ない寒々しい日曜日。 
 物があふれ使いにくくなった台所の一角を整理したら、20年以上前に買い求めたクリスマス模様のキッチン用グローブが出てきた。捨てようと思ったが、20年以上前の自分自身を思い出させるものが少なくなってきたので、手元に残すことにした。石けんで手洗いすると少しだけきれいになったが、二か所ほど穴があいている。
 その他にも亡くなった父親が買った賞味期限切れの缶詰が6個ほど出てきた。2010年、2009年の賞味期限である。まだ母がいる頃に買ったものにちがいない。何回か捨てる機会があったにもかかわらずなんとなくとっておいたが、今回は捨てることにした。
 最後の方になり、ミキサー食しか食べられなくなった父のために買ったバーミックスのハンドミキサーは、父亡き後ときどきしか使わないがかなり汚れていた。タオルに石けん液をしみ込ませ、黒ずんだ汚れを拭き取った。
 家で最後の二か月あまりを過ごした父の主食は、米から炊いたお粥をさらにハンドミキサーでなめらかにしたものだったが、息を引き取る直前の夕食はお粥を炊く時間がなく、市販の白粥を使った。父は食欲旺盛でお粥をすべて食べ、用意した副食も食べ、お代わりを要求した。翌日のために残しておいたおかずを出したほどだった。そんなに食欲があったので翌朝亡くなっているとはまったく思っていなかった。
 ただ、同じ市販の白粥を老犬ももこの食事に利用したとき、かなり水分が多く、少ない量のお米で作られていることがわかった。ももこにも週に2回ほど米からお粥を炊いているが、三分の一カップの米を使っている、かなり密度のある味わい豊かなお粥ができる。それに比べると、市販のお粥はお米がぱらぱらで水っ気が多く、かなり物足りない。父の最後の食事をお米から炊いたお粥をしてあげられなかったことを後悔と共に思い出す。
 あまり暖かくない庭に出て、まだ植えていない小苗をプランターに植え付けようと思ったが、実際庭に出てみると年内に剪定したい庭木が目に入り、こちらを優先させることにした。脚立を使わないで剪定できる木を4本ほど、正木、木槿、名前のわからない落葉樹などを切った。裏の隣家との境に植えた2本の木槿は脚立が必要なので後回しにした。
 もし年内に切れなくても、寒い時期に切れればいいと思うことにした。

今日のももこ
陽射しが入らないので、炬燵のある部屋で眠っている

薄赤色に染まった雲が、群れ泳ぐ金魚のように見えた昨夕の空

川べりのカエデが紅葉している〈これも昨日の写真)