庭の絵を描く

 春の光がみちあふれ、暑くもなく寒くもない、気持ちのいい3月最後の日となった。
 午前中、庭に面した広縁に腰を下ろし、若芽が展開し始めた額紫陽花を眺めていたら、ふと絵が描きたくなった。ここなら部屋の中にいてスケッチが出来るので楽だし、ももこさんもわたしがそばにいるので安心だろうと思い、描き始めた。
 ももこさんは最初、続きの居間で眠っていたが、色付けをする頃はわたしのそばにごろんと横になった。その前に、水彩絵具を溶いたり、筆を洗うために用意した水を飲み始めたのには驚いた。前の柴犬レオだったら、こういうことはあり得ないから。わんこはみんな違う性格をもっていて、そこがおもしろい。新しいわんことの間に新しい絆が生まれるのだと思った。
 レオがこの家にいたときも広縁の前の庭を描いたことがある。レオが亡くなる少し前、5月か6月の始め頃の庭だ。新緑の季節を過ぎ、庭木の緑が今より繁って葉の色合いも濃さを増してきた。梅雨が近づくと緑がしっとりとした色になる、そんなころの絵である。
 今日描いたのは、新緑の季節の少し前、まだ葉の緑より枝のほうが目立つが、芽吹いたばかりの葉の色がそれぞれ違って美しい。新芽の色が表現出たかどうか。描きたいと思った気持ちが大切だから、描き終えたことで満足しよう。


もう少し色のメリハリをつけた方がいいように思う
後で加筆することにした


今日の午後のももこ
寝ているところで午前中、絵を描いていた


これは昨日撮った写真
奥にソメイヨシノが一本ある
その手前には柿の木が植えられている