友だちとチューリッヒ美術館展へ

 朝から曇って雨が降ったり止んだりの天気。
 9月ごろから約束していた友だちと、乃木坂近くの国立新美術館で開催中のチューリッヒ美術館展を観に行った。
 午前中に待ち合わせたためか、それほど混雑していない。会場に入ってすぐの展示場はクロード・モネの作品だけが展示されている。「ノルマンディの茅葺の家」や「国会議事堂、夕暮れ」、晩年の大作「睡蓮の池、夕暮れ」など、自然の光がもたらす変幻自在な美を追求した絵画に目を奪われた。
 次の展示会場がポスト印象派の画家の作品が集められていて、どれもずっと見ていたい絵ばかり。ゴッホの「サント=マリーの白い小屋」は真っ青な空、白い家の壁、土や草の色など鮮やかな色遣いがすばらしい。セザンヌの「サン=ヴィクトワール山」は地味な色だが、筆のタッチというか、色の面で山並みやふもとの家並みを表現した絵に感嘆した。
 友だちはムンク肖像画がいいと言ったが、ムンク肖像画はどこか緊迫感が漂っていて、目が吸い寄せられる感じがする。
 ピカソの作品は2点展示され、「大きな裸婦」はゴヤの「裸のマハ」をピカソ流に解釈した絵とのこと。デフォルメされた裸婦を見たとき、思わず微笑んでしまった。青と緑が混ざり合ったような背景の色が何とも言えず魅力的。
 ピカソと同じ展示場にアンリ・マティスの絵が2点展示され、どちらも好きな絵だった。一つは青と緑、茶系の色がすばらしい「マルゴ」という若い女性の肖像画で、もうひとつはきれいな緑色が印象的な「バルビゾン」である。
 1時間半ぐらいで見終わり、近くの東京ミッドタウンに向かう途中の店で昼食を取り、ミッドタウン内で食後のスイーツを楽しんだ。東京ミッドタウンは2007年にオープンしたとのことだが訪れるのは初めてだった。ちょうど母の死、父の介護、愛犬の介護が続き、外出が自由にできない日々が6年間くらいあったのだと思った。