アンディ・ウォーホル展を観にいく

 朝から曇り空で夕方から雨が降りそうな天気だが、なんとなく気持ちが動いて出かけた。六本木の森美術館で開催中の「アンディ・ウォホール展」を観にいくためだ。体調はそれほどよくないが気持で行けた。
 美術館は六本木ヒルズ内の森ビル53階。エレベーターが苦手だが何とかたどり着いた(高速で快適だが狭い所に入るのが苦手)。
 平日にしては人手が多かったが、自分のペースで観れるのがうれしい。作品に近づいたり、離れて眺めたり。
 たくさんの興味をそそる作品が展示されていたが、圧巻はケネディ大統領の妻、ファーストレディだったジャクリーンの写真を使った作品群。タイトルは「ジャッキー」だったと思う。大統領が暗殺された後、新聞や雑誌に掲載されたジャクリーンの顔写真をシルクスクリーンで印刷し、彩色してある。さまざまなアングルからとった、さまざまな表情の顔写真が圧倒的な力で迫ってくる。多分、大統領暗殺をテレビで見た記憶や、そのとき受けた衝撃がわたしの中にあるから、この作品が迫ってくるのだろう。寺山修司がこの暗殺について、何かの雑誌(多分中高生が読む月刊誌)に書いていたのを憶えている。
 興味をそそられ、まじまじと見たのは、「ツーモンロー」という作品。2つのモンローを組み合わせた作品だ。片方のモンローは、顔写真をシルクスクリーンで印刷し彩色した、わたしたちがよく知っているモンローで、もう片方は顔をピンク色に塗りつぶし、口と目の形だけが残っているモンロー。どちらも髪の色はブロンドだった。ウォーホルはこのモンローを片方に描き、何を現わしたかったのだろう。というより、実験的にこういうモンローを作ってみたかったのかもしれない。
 おもしろかったのは「銀の雲」という作品。東京の街を眺望できる一室に、銀色のプラスチックの袋にヘリウムガスを注入しふくらましたものがたくさん浮かんでいる。扇風機で雲は部屋を上下左右にアットランダムに動く。雲が頭に触れたり、顔の前に降りてきたり・生き物のようだ。
 この部屋からの眺望もすばらしい。こんなことを思った。広い東京の片隅のさらに片隅で、柴犬レオとわたしは暮してきたのだな、と。東京の街が持つ〈と思われる)エネルギーとはまったく関係なく、介護の苦労はあったが牧歌的といえば牧歌的な日々だった。ここから見下ろす東京はビジネスの街という印象があるがまったく関係なかったな、と。いや、少しはあったかもしれない。

 展示会を堪能しての帰り、最寄りの駅からの家路の途中に、気になる老犬がいる家がある。ここ1〜2か月、家の前を通っても姿も見せず、泣き声も聞こえないので、どうしたのかなと寄ってみたが、姿も声もなし。だが玄関の外に新聞紙をたくさん入れたゴミ袋が置いてあり、まだ健在かなと思った。というのはレオも衰えてからは家でトイレをすることが多くなり,そのとき新聞紙がすごく活躍したから。


花壇に植えたスイセンのつぼみが大きくなり、今にも咲きそう
今年は4種類のスイセンが咲くはず
一昨年から植えっぱなしのスイセンが2種類
昨年新たに球根を植えたスイセンが2種類


桃の花は三分咲ほど


花壇の忘れな草は満開


八重の赤と白の絞り模様の椿が今年も豪華に咲いた