確定申告の準備

 朝の冷え込みが弱まり、日中の気温も上がった。明日の午後くらいまでは気温が高めで夕方から寒くなるとの予報だ。冬枯れの庭に野鳥たちが日限り無しに訪れる。土鳩やヒヨドリ、シジュウガラ・・・・・・。ヒヨドリは食べ物が少ないためか、万両の細い枝をしならせてとまり、赤い実をついばんでいる。万両の実はあまりおいしくないのかもしれない。いつも冬の最後まで残っているから。
 確定申告で還付金が少しばかりだが戻ってきそうなので、今年も国税庁のサイトで確定申告に必要な書類を作成しようと思い、作成に取り掛かったがすぐ挫折した。準備が足りなかった。必要な資料がそろっていなかった。どこにしまったかわからない資料があり、ここだと思えるところを探しているうちに、資料とは別のものがでてきた。
 父が菩提寺との間にかわした契約書みたいなものと、お墓を作った時の石屋さんからの請求書。これによると父は平成元年に墓地を手に入れている。父が68歳のとき。母は72歳で、その前年に脳梗塞をおこし昏睡状態に陥り、救急車で救急救命センターに運ばれ、もうだめかと思われたが、後遺症を残しながらも何とか生還した。たぶん、このことがきっかけとなり、父は近くのお寺に墓地を手に入れたのだろう。それから20年近く母は生きた。
 墓地とお墓の代金(?)を見て、高額なことに驚いた。普段はどちらかというとケチといってもいい父がこれだけの金額をかけることに、父の思いを感じ取った。自分たちが最後に眠る場所は、できる範囲内でいいものにしたかったのだろう。
 わたしなら、死後のためにお金をかけるより、生きている間にお金を使いたいと思うが、父はたぶん残されるもののことも考えて、家の近くにお墓を持ったのだろう。
 確定申告に必要な資料は思いがけないところにあり、他の書類に紛れて、なかなか見つけることができなかったが、無造作に他の書類の中に置いたというかすかな記憶を頼りになんとか見つけることができた。資料探しに時間がかかったので、作成は別の日にすることにした。


 柴犬レオの友だち犬が昨日亡くなったと、買い物の途中に会った飼い主さんから聞いた。飼い主さんは〈愛犬が)犬として幸せだったと思うから、もう大丈夫と気丈にふるまう。〈寿命があるのは)しかたないことだし。
 なぐさめる言葉がなくて、わたしはうろたえた。柴犬レオを亡くし、同じ体験をしているのに、ことばが出ない。どういう様子だったのか聞いたが、話すのが辛そうに見えたので、こんなことを聞くのではなかったと思った。あまり話せず別れたが心残りがある。


テニスボールをくわえてごきげんなレオ
2006年1月29日多摩川の河原で