凍てつく朝、温かくなってから買いものに行く

 朝はこの冬いちばんの冷え込みにちがいない。桜の木を植えた裏庭に霜柱が立っていた。庭の奥で裏手ではあるがマンションが近くにあり、霜柱が立つほど冷えることが少ない場所なのだ。
 ベニヤ板を被せたメダカの水甕に薄氷が張っていた。寒さよけのベニヤ板が役立っていないのに少なからずショック。ポット鉢に植えた花苗(今秋、種をまいたもの)も凍りついて、葉っぱが変色し、くたっとなっている。こんな小さな苗も厳寒にさらされ、耐えている。花壇にこぼれ種から大きくなった忘れな草も葉っぱが萎えている。忘れな草は可憐な花の見かけによらず、寒さに強く、すごくタフな植物だ。春になると寒さのダメージなどものともせず、無数の青色の小花を花壇にまき散らす。
 忘れな草については心配しないが、種から育てたカワラナデシコ、ストック、二ゲラ、チドリソウなどは何度も土が凍っているうちに根が傷んで枯死しないか案じている。昨夜は寒さ対策で、園芸用の不敷布を被せておいたのに、こういうありさまだから他に対策もとりようがない。
 日が昇ると日差しにあたためられて、日当たりのいいところは霜柱や霜がとけた、メダカの水がめの氷はとけそうにない。
 お正月を迎えるといっても、今年はほとんど何もしていない。父母の喪中のときより、さらに何もしていない。ただ、冷蔵庫がからっぽで食べるものがないお正月は詫びしいだろうと思い、食料品だけ買いに行くことにした。
 ただ、今年6月に柴犬レオが亡くなってから、食が細くなったので、少なめに、おいしいと思えるものを買いそろえることにした。
 


「老犬の泣き声聞こえぬ年の瀬は取り残された寂しさあり」
「老犬が破いた障子そのままに2013年は静かに終われり」
「柿の実がない裏庭にヒヨドリが訪れにけり所在なげに」
「日が陰る午後の廊下は寒々と柴犬レオの姿見えず」
「西日射し破れ障子に葉の影ありて亡き柴犬の耳に似ており」


コンテナに植えたパンジーも霜でくたっとしている


花壇の忘れな草
葉っぱに霜が降りてしおれている
日があたるとあたたかいので花が少し咲いている