駅舎の水彩画を描く

 晴れたが風が冷たく、冬がやってきたような一日。とはいっても、あまり外に出かけることなく、家で炬燵に入って絵を描いて過ごしたので寒さはそれほど実感しなかった。ただ、買いもののため外に出た時、冬の日差しを感じた。少し前まで秋だったのに、季節は早足だ。
 大正時代に建てられたヨーロッパ(ドイツだったと思う)の民家を模した駅舎を、何度か撮影し、そこから2枚の写真を選んで、鉛筆でスケッチした。今日はそのうちの一枚のスケッチに色をつけた。秋の午後の陽ざしをあび、壁が白っぽく光っていて、屋根などの影が映っている。空は雲ひとつなく、深めの青のグラデーション。駅舎の左右には桜の木が植えられ、紅葉して葉っぱをだいぶ落した木と、まだ一部しか紅葉していない木が秋の空に枝を伸ばしている。駅舎の前には噴水があり、そのまわりにバラの木が植えられ、わりと樹高が高く駅舎の下の方を隠している。
 いろいろな色を混ぜて、色を作るのだが、ぴたっとはまった色が作れずに苦労する。だが写真の色をそのまま再現してもつまらない。色作りには主観が入る。出来あがった絵は、私鉄沿線の駅舎というより、妖精が住んでいる家のような感じに仕上がった。



 柴犬レオがいたとき、愛犬を散歩させている方や、犬友だちと道で会った時よく立ち話をしたものだ。そういう顔見知りの犬連れの人たちに外で会うと、もちろん今でも挨拶をしたり、立ち話をしたりするが、レオがいないことがあらためて思い出され、しんみりする。