秋晴れの日、何をしよう

 早朝起きて庭に出たら、すっかり秋の空気に入れ替わったようで、肌寒いくらいだった。夏の暑さがやっとおさまったこんな日、もし柴犬レオがいたら、「涼しくなってよかったね」と言いながら、レオを散歩に連れ出しただろうと思い、寂しさを全身に浴びるようだった。
 レオとよく行った近くの用水路沿いに行き、桜の葉っぱが落ちていたり川の水かさが増している様子を見て、すぐ家に帰ってきた。
 午前中、このブログを書いている。一昨日、台風が来る前にでかけた五島美術館の「秋の優品展 禅宗の美」について、少し書いてみたい。展示品は中国および日本の禅僧の手による絵画(墨絵)と墨跡が主なもので、木版の経典や茶道具もいくつか展示されていた。
 有名どころでは一休宋純禅師の墨跡の掛け軸と、梅の墨絵と墨跡を組み合わせた掛け軸が目をひいた(あくまでも個人的な感想)。墨で描いた梅はうまい下手を超えた存在感があり、その自由闊達な書き文字とともに、これが一休なり、みたいな世界ができていた。今年の春、梅の絵がうまく書けなくて苦心惨憺したことを思い出した。自分なりにとらえ感じた梅を描けばいいのだが、これがそう簡単にはいかないのだ。もうひとつの墨跡は躍動する文字の力に感嘆したが、この方はかなりの変人だったらしい。
 墨跡は、夢窓疎石の字もよかった。力強さとやわらかさが絶妙のバランスで達筆過ぎて何か書いてあるのかわからないが、漢詩だと思う。ちなみにこの美術館の創始者である五島慶太氏は「萬里一條鉄」の文字を書いた一行書の墨跡を特に好んだそうだ。「萬里も続く一筋の鉄」を意味し、一つのことに徹することがすべてに通じるという意味。五島氏は鉄道のレールにイメージを重ね合わせたようだ。
 他にも白隠慧鶴による達磨大師などの禅僧を書いた絵画も興味深く観賞させていただいた。

 秋晴れになり、庭に面した部屋や廊下にこぼれる木漏れ日を見ながら、家にいるとレオのことを思い出すばかりで精神的によくないと思い、でかけることにした。腰に少し違和感があり、休養したい気持ちもあったが、外出にはさしさわりはないだろうと思った。
 映画館が一軒もないサウジアラビアではじめての女性監督が撮った映画『少女は自転車にのって』を観に行った。イスラム教の国の古い慣習(いや因習か)の中で、それを踏み越えようとする自由を求める気持ちを持った感性豊かな少女の物語。詳しい内容と感想は別の日に書きたいと思います。




東急東横線東京メトロ副都心線が相互に直接乗り入れをするようになってから(3月16日)
初めて、東横線に乗って渋谷に行った
渋谷駅で降りてから地上に出るまで前に比べ時間がかかったが
渋谷の街に出ると、変わっていないところも多く
少しほっとした
急激な変化についていけなくなった
年齢的なものか、現在の精神状態によるものか
どちらの写真も南口で撮影した
駅の反対側にあるヒカリエのビルが目立つ