着物の着付けを教えてもらいに行く

半化粧 午後から近所の知り合いの奥さんの家に、着物の着付けを教えてもらいに行った。歩いて5分もかからないところ。
 今日のレオはラッキーにも午前中に最初の食事を食べたので、よゆうででかけることができた。ただ、ちょっとだけショックなこともあった。早朝、午前4時くらいか、レオがわたしの横でもぞもぞ動くので、トイレかと思い、抱きあげて庭に面したレオの部屋に連れて行った。わたしは眠かったのですぐ自分の部屋に戻り、布団に入った。 ところがレオの泣き声がして眠れず、様子を見に行こうと立ち上がって踏み出したら、素足のかかとでぐにゅと粘土状の感触のものを踏んだ。あっと振り向き、灯りをつけると、うんちを踏んでいた。あのもぞもぞはそういうことだったか。
 急いで後始末をした。汚れたのは私の足とシーツだけ。掛け布団、パジャマは無事。よかった。
 こんなことがあったが、今日は楽しい一日だった。着付けを教えてくれる奥さんは映画好きでわたしも同好の士なので話しがあった。彼女はクラーク・ゲーブルが大好き。わたしも好きな方だが、若くして飛行機事故で亡くなったゲーブルの奥さんの方が好きで、二人が共演している昔の映画を見せてくれた。「心の青空」というタイトル。全部は見なかった。着付けを教えてもらったので。
 わたしの母の着物と帯を持って行った。シックな紫系の小紋と、紫系とくすんだ桃色の夏用名古屋帯。襟元がうまく決まらない。太古帯の締め方は一度では憶えられなかった。だが助けてもらい、いちおう着ることができた。一重の着物があまりなく今日は裏つきの着物で練習した。
 奥さんのご主人の母親(つまり姑)は、わたしの母と同じ年で大正4年生まれのうさぎ年。祖父(母の父親)は温室を経営していたが、姑さんの家も同じ地域で温室をやっており、その当時の話しを聴けたのもよかった。
 映画の話で盛り上がったのは何よりもうれしかった。たくさんの映画を見ていた時がある。昔のアメリカ映画も大好き。また見たくなった。エルンスト・ルビッチ監督の映画で、ゲーブルの奥さん、キャロル・ロンバートが出演している映画があったと思うが、これが見たい! 
 もうひとつ感銘を受けたこと。ご主人が能面作りに凝っており、その作品を見てあまりのすばらしさに息を飲んだ。昔、薪能をよく観に出かけたが、能面をこんな近くで見れるなんて!ご主人は伝承された能面をすばらしい技巧で再現し、次への伝承を実現している。
 能面は信じられないほどたくさんあり、かなりの数がタオルで包まれて保管されいている。古い帯で作った袋に入れるのがいいのだが、帯がそんなになく、しかたなく仮にタオルで包んでいるとのこと。

 夕方家に帰ると、レオはわたしが帰ってきたのがわかり、安心したようだ。外に連れ出し、駐車場や近くの川にかかる橋の上でゆっくり過ごした。わたしの脚の回りをからまるように歩くだけだが、家の中にずっといるよりレオにとっていいはず。

川沿いに生息する半夏生ハンゲショウ
緑色の葉っぱが半分くらい白く化粧している