久しぶりの五月晴れ

 早めに起きて庭に出ると、晴れやかな空が迎えてくれた。一日中、さわやかな風が吹きわたり、日があたる場所では暑いくらいの陽気だった。
 昨夜の老犬レオは2回くらいに起きたがすぐ眠りについたので、いつもより落ち着いていた。だが今日も朝起きてすぐ、歯ぎしりをして、よだれをたらし、前かがみになって顔を床につけて苦しそうにする発作がおきた。抱いて廊下の端に連れていき、しばらく手を体にまわして支えたり、背中やあごをなでていた。落ち着いたかなと思い、離れたすきに廊下のカーペットの上におしっこをした、少したっておさまったので、外に出し、用水路脇まで抱いて行ったが座ってしまったので、すぐまた抱いて家に帰った。朝ごはんは今日も食べなかったので、心配でたまらない。水を飲むと軽く歯ぎしりをするのも気になる。
 午後になって、それまで寝ていたレオがむっくり起きて、また発作が起き、こんどは仏壇がある部屋の床の間におしっこをした。その後、玄関のたたきに降りて外に行きたがったので、庭に出し、リードをつけないで自由に歩くままにさせた。木がいっぱい植えてあるので、木陰になって、日中、外にいるのは庭がちょうどいい。日差しが当たる道路は、わたしでさえ、長くいると疲れる。
 20〜30分くらいたっただろうか。レオが疲れた様子を見せたので、抱いて家の中に入れ、わたしも入った。わたしだけ庭にいるとレオは気になるみたいだから。抱いて、居間の座布団の上に横たわらせ、ここでゆっくり休みなさい、外にいて疲れたんじゃないの?といって、しばらく腕枕でいっしょに横になると素直に眠りについた。
 わたしは昨年の同じ時期の日記を読み返してみた。親友が亡くなったことがきっかけで5年日記というのを2006年からつけている。時間が過ぎ去っていくのはしかたがないにしても、何をして何を感じていたのか、一部分でも文字に残しておきたいと思った。
 昨年の5月のレオは、今のレオよりは元気だ。5月3日。「レオは朝の散歩は元気で、伝乗寺まで行き、お墓参りをする。帰りは等々力不動方向に足を伸ばし、途中でUターンする」。5月16日。「夕方の散歩、レオと久しぶりに河原に行く。ひょいひょいとした足取りで河原を歩き、バス通りの信号があるところまで行き、戻ってきた」
 一年前のレオがまぶたに浮かぶようだ。だが時間は過ぎ去るだけではない。積み重ねる時間もある。レオとの間でわたしは時間を積み重ねてきたと思いたい。過ぎ去った後に、積み重ねた時間が残ることを信じたいが。
 夕方の散歩の後(といっても家の前を歩いただけ)、レオは夕ごはんを食べた。朝はまったく食べなかったので、食べてくれてよかった。昼間届いたミドリムシサプリメントをふりかけたが抵抗なく食べた。


用水路沿いで座るレオ


クレマチスの’雪おこし’が咲いた。
5本のつるが全部、強風で裂けてしまい、
セロテープで応急処置をしたが花は6つくらい咲きそう。


庭を歩くレオ