昨日は上野にエゴン・シーレ展を見に行く

 3月なのに4月、5月の暖かさが続く。

 昨日は上野公園にある東京都立美術館に「エゴン・シーレ」展を見に行った。

 JR上野駅の公園口で友だちと待ち合わせた。友だちは仕事をもつ身なので、開館時間が長い金曜日を選んだ。5時に入館したが、それほど混んでいない。

 会場に入まずまず若き日のエゴン・シーレの作品が展示されている。彼は28歳でスペイン風邪にかかり亡くなっているので、若き日とは18歳の頃のことだ。

 正式に美術学校で絵画を学び、アカデミックな技術を習得している彼はすでに高いレベルに達している。だがエゴン・シーレらしさはまだ発揮されていない。

 アカデミックな絵画から出発し、次の段階では同時代に活躍した先輩画家である、クリムトの影響が色濃い。また、日本の浮世絵の影響も見られる。

 だが彼はすぐクリムトの影響から抜け出し、独自の表現を確立していく。表現主義の絵画へ。表現主義とはゴッホの絵画に見られるような、自分の主観が色濃い表現方法のようだ。わたしも好きな方法である。

 一緒に行った友だちに今回展示されたシーレの絵のなかでどれが一番好きかと聞いたら、「自分を見つめる人 Ⅱ(死と男)」

がよかったと言った。自画像のうしろにもうひとりの自分がいて、さらに右横に別の人と思われる影が描かれている。

 エゴン・シーレが結婚し、第一次世界大戦が始まった頃から、絵画の表現方法が変わってきた。表現主義的な自己の世界に没入する激しさが消えてゆく。この頃は新婚の妻や、よき理解者でパトロンとなってくれる知人、裸婦などを描いている。

 わたしはより若い頃のエゴン・シーレが好きだ。

 美術館内のショップでは友だちはエゴン・シーレの絵をプリントしたTシャツを、わたしは絵の色を使ったイヤリングを買った。ポートレートの妻が着ているストライプの

ドレスの色を使ってある。イヤリングには(ムジナの庭)という制作した施設のブランド名が記されている。就労支援施設のようだ。

 展示会を見終えて、友たちと上野公園の端にある桜テラスに向かった。このなかにある店を予約してくれた。

 最初はビールを注文。わかさぎのフライや焼き鳥、牡蠣と菜花のアヒージョ、クレソンのサラダ、鯛のカルパッチョなどを頼んだ。白ワイン、ハイボールも。

 友だちは、珍しくわたしにいろいろ質問した。答えながら会話が弾んだ。友だちはいつにもましてお酒を飲む量が多かった。明日は仕事などの予定がないと言ったので、明日を気にせずに飲めるからだろう。

 わたしも友だちに質問した。美術展に一度も行ったことがないという友だちに「エゴン・シーレ」展に行ってみない?と誘ったので、どうでした?と聞いてみた。シーレの絵を気に入ったこと、絵画が描かれた時代背景もわかったのでとてもよかったと言った。写真などで絵画を見るより、実物をみたほうがぜんぜん印象が違う、迫ってくるものがある、とも。

 

 

上野駅の公園口近く、駅ピアノが期間限定で置かれている


f:id:leoleoleoya:20230311220748j:image

わが家のオカメ桜

 

f:id:leoleoleoya:20230311220939j:image


f:id:leoleoleoya:20230311221045j:image

 

f:id:leoleoleoya:20230311221109j:image


f:id:leoleoleoya:20230311221139j:image