猛暑予想の日、靖国神社の献詠披講式に参列した

 

 朝からカンカン照り。庭に置いた植木鉢に水やりをする。水やりを怠れば一日でドライフラワーになりそうな天気だ。君たち、がんばってこの夏を乗り切ってね。

 朝から歌会の仲間ら電話があり、今日行われる靖国神社での献詠式に来るはずだった付き添いの仲間が来れないと伝えて来た。昨日、行く行かないで電話のやりとりがあったその人だ。

 やはり、という思いが強い、天気予報では首都圏の上空に気温40度の暖気のかたまりが形成される可能性があるとのこと。列島の他のところでは35℃の暖気のかたまりなのだが、ここだけ特別なのだ。これを見て、たぶん、来ないだろうなと思ったので電話があってもそうか、という感じ。

 昨日はその相手に電話でフォローを入れたが、今回は電話をしないことにした。

   お昼前に家を出て、バスと電車を乗り継いで半蔵門線九段下駅へ。出口1で歌会の仲間と待ち合わせをして、靖国神社に向かった。ゆるやかな坂道をのぼり大きな鳥居をくぐり、さらに歩く。参道は日陰が全くないので、木々を植えた側道を歩いた。参集殿に到着し、受付をすましてからしばらく待機した。

 時間が来て、参集殿から拝殿へ移動。ここは参賀者が参拝をするところで、吹き抜けになった拝殿の向こうに本殿がある。

 拝殿に預選歌を詠った人が最前列に座り、その後ろに次選歌を詠った人、付き添いの人が座った。宮司をはじめとした神社の人たちが定位置につき、短歌の披講式がおこなわれた。まず短歌を1首読み上げ、続いてその短歌を調べにのせて抑揚をつけ7~8人の人たちが歌う。

 わたしは「子」という題詠で、人の名前を読み込んだ短歌を詠んだがその名前がとてもきれいに歌われたのに感激した。人の名前とは読み方によってはとても美しいものだと思った。

 ときどき参拝の柏手が響き、小鳥の鳴き声も聞いた、救急車のサイレンが鳴り響くときもあった。

 吹き抜けで冷房ができず、扇風機の風だけなのでめちゃくちゃ暑い。ただ座っているだけで、背中に汗が流れるのを感じた。

 披講式が終わり、参集殿に戻り、記念撮影がおこなわれた。次に2階に移動し、表彰式と選者である秋山佐和子氏による講評がおこなわれた。

 4年前は岡井隆氏がこの講評をしてくださった。岡井氏の魅力的な語り口を思い出した。氏はもうこの世の人ではないことをあらためて思った。

 自分の氏名の頭文字で、短歌の順番が決められていて、わたしの前は101歳の方だった。わたしの次はよく短歌大会やNHK短歌などで名前を見る方で、お顔もなんとなく覚えている方だった。その方といろいろ話をすることができ、お開きになった後、住所と電話番号を交換した。

 その方は朝出かける前に調子が悪くなり、行けるかどうかの瀬戸際だったが薬を飲むなどしてなんとか症状がおさまり、靖国神社まで来ることができたと話された。

 一緒に参加した歌会の仲間ともども3人で帰りは電車に乗って、途中までご一緒した。

 

 

 時間がきて、