午前も午後も友だちに会う

 朝起きたときは別に予定はなかったが、しばらく会っていない友だちに電話すると、本人がすぐ出た。

 庭の千両をお正月用にあげたいけれどどうかしらと言うのが表むきの口実で、友だちがどうしているかなというのが本当の気持ち。もうひとつ別の気持ちもあるがここでは明かさないことにする。

 最初元気がなく、千両はどうでもいいという雰囲気の受け答えだったが、途中から変わり、ついには千両を持って友だちの家に行くことになった。

 家の中に迎え入れてくれ、少しだけのつもりがたっぷり2時間お邪魔してしまった。友だちは大きな悩みを抱えていて、重たくてたまらないとわたしに話すので、ときどきこうしたらどう?とか、こうすることもできると口をはさみながら延々と聞いた。 

 最後に友だちは話す前より気持ちが軽くなったと言ってくれた。わたしは友だちの話を親身になって聞いて疲れた感じもあるが、しばらくたてばこの疲れはとれるだろう。

 家に帰って遅めの昼食をとっているとラインが入った。昼食が終わったら電話をしてもいいですかと返事をした。すると電話もいいけれどこちらに散歩に来ませんかと誘われ、夕方行くことにした。

 昼食を終えてから約束の時間まで1時間半ほどあったので、パソコンのワードでこれまで詠った12月の短歌を入力した。短歌に使える時間が少なくなったような気がするが、わたしのとって短歌は生きる力をもたらす大切なもの。自分が詠い、いいと思える短歌を他の人にいいと認めてもらうことはすごい力になる。認めてもらえなくても追及する世界がある。反面、認めてもらうことは励みになる。

 4時半ごろから友だちと多摩川を見晴るかす公園で会った。そこまでバスで行った。帰りは歩くつもりで。

 バスから多摩川の向こう岸、丹沢山系のあたりに太陽が沈むを眺めた。高台の公園からは夕映えの空とやわらかな茜色に染まる多摩川の流れが眺望できる。

 灯りのともる対岸の高層ビル群、橋を渡る灯りのついた電車・・・・だんだん濃くなる闇に煌めく明かりを眺めた。

 友だちとは歩きながら、ときには立ち止まって景色を眺めながら話した。

 帰りは歩きなので今日は計11000歩、8,4キロメートル歩いた。

 

クリスタルに閉じ込められし白き馬の宙に浮かせる前足細し

 

リュウグウから玉手箱届きたりコロナに惑ふ師走の地球へ