永井陽子さんの歌集を読む

 朝は冷え込みが強かったが日中は陽射しがたっぷりでそんなに寒くない。

 それでもお昼前後の数時間エアコンを停めただけで、後はオンにした。

 昨日、車で図書館に行き、借りていた5冊を返却し、そのうち2冊を改めて借りた。さらに新しく永井陽子さんの歌集2冊を借りた。『モーツアルトの電話帳』と『ふしぎな楽器』である。

 そのうちの一冊『ふしぎな楽器』を今日は読んだ。昨日のうちに、どちらの歌集もざっと目を通したのだが、今日はじっくりと読ませていただいた。

 『ふしぎな楽器』には永井陽子さんのエッセイが5編掲載されているが、どれも作者の内面が語られていて、短歌を鑑賞する際のヒントにもなる、素敵なエッセイだ。

 粟津則雄氏の巻末の解説はそんなに長い文章ではないが、永井陽子さんの短歌の深い意味での謎解きが語られていて読みごたえがある。

 ふしぎな楽器の短歌は一読したがあと二読、三読くらいしたい。

 歌集を読む以外は、たまった新聞を読んだ。

 永井陽子さんをネットで検索して、いくつかの投稿や記事を読んだ。わたしより一歳年下のうさぎ年で、まだ若いうちに亡くなられた。自死とも言われている。短歌を読むと永井さんのお母様もうさぎ年と推察できる。わたしの母がうさぎ年なので、そんなところに妙な共通点を感じる。

 4月11日生まれの牡羊座と言うのも興味をそそられる。

 ネットで永井陽子全歌集が出版されていることを知り,読みたくなった。まずは図書館で借りて読み、手元に置いておきたくなったら買ってもいいと思う。

 

あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡にはなびらながれ

 

身の内に旧き詩型をうちしづめさくらはあびる夏のひかりを

 

簡潔でしなやかな背とおもふまでトロンボーンは男の楽器

 

朝風が秋の空より地におろすしづかな藍の色を見てをり

 

ワイシャツにも羽根などあらば楽しからむに男が運ぶシンプルな白

 

折りたためばわたしは小さな蝙蝠傘になるだらう今日こんなに疲れ

 

                     永井陽子『ふしぎな楽器』沖積舎

 

晩秋の庭に小文字のみどり植ゑ大文字のはな春に咲かせむ

 

雨だれを三つひからせわが気持ち君に伝われ朝のラインよ

 

やさしさも下心込みと思へれば師走の雨がまばらな葉濡らす

 

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川べりの楓が紅葉した

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川面に映る紅葉した楓