雨の土曜日、家でのんびり

朝から雨が降っていた。最初は小雨だがだんだん本格的な雨になった。

小雨の時間に、傘を持って近くの川べりを歩き始めたがすぐ雨足が強くなり、引き返した。雨に濡れると肌寒さを感じるからだ。

 掘り炬燵をしまい、ガスストーブをしまってしまい、家のなかにいてもなんとなく肌寒い。買い物に2回行き、そのたびに濡れて帰るのでさらに肌寒くなる。

 まだ出して置いた薄手のウールのカーディガンを着て、やっと落ち着いた。

 午前中、歌会の仲間に電話をした。今年になり手術をして退院後も家にこもっていたようだが、数日前から以前と同じように行きつけの喫茶店で歌を詠む時間が持てるようになったとのことだ。喫茶店では四人掛けのテーブルに独りづつ座るような状態で、空いているので落ち着けると話した。

 お昼頃、弟は車で別宅に帰り、一晩泊まると言う。

 前と同じように1階でひとりでいると、犬がいた時のこと、その後ひとりでここに暮らしていたことなどが思い出される。ひとりで暮らすことは嫌いではない。愛する犬が死んだ後の喪失感は苦しかったが、その荒波を乗り越え、寂しさは変わらぬままでもこころがおだやかになるとひとりでいることは宝物のような時間だ。

 そんな頃に戻って、雨の土曜日を過ごしている。

 読まぬままたまった新聞を読み、前に読んだことがある大好きな歌集を開いた。

 ノートに詠みためた短歌を1週間ぶりくらいにWordで入力した。5月9日から15日に詠んだ短歌だ。入力しながら、より良い歌に推敲することがある。ノートに書かれたメモ書き程度の短歌や、書いた後で鉛筆の縦線で消した没の短歌をよみがえらせることもある。時間を置くとこうした方がいいという新たな視点が生まれることがある。