短歌集『ミステリー』を読み終える

 今日も風が強めで、庭のさくらは風に翻弄されて舞い落ちる。

 風のひと吹きになすがままという花びらの行方をひととき見守った。

  自分の誕生日祝いにと、はじめて買った短歌集。取り寄せだったので注文後2週間を経て手元に届いたのが3月の初め頃だった。

 藤島秀憲さんの第3歌集『ミステリー』という歌集だが、なかなか読み進められなかった。

 やっと手中にしたのに、手に入れたとたんやや興味がさめたというか(作者には申し訳ないが)。ところが途中で読むのを中断した歌集を今日開いてみると、不思議なことに、読んだ歌がしみいるように心に入ってきた。三分の一ほど残っていたが読み終えることができた。

 いくつかのいいと思った歌をノートに書き写した。以下四首、藤島秀憲『ミステリー』より

 

噴水を噴き出て白を得たる水白を失うまでのたまゆら   

あと二年われに残れる五十代タオルが風に揺れつつ    

海岸に朝のひかりと女生徒を拾いたるバス坂をのぼり初む  

匂いから金木犀は咲きにけり父いて母いてわれもいた日々  

 

 わたしの歌も。

開け放つ窓より訪ね来 庭に咲くそめいよしのの花びらいくまい

羽根のある生きものの声なにやらを話しているが吾(あ)にはわからず

 

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赤いラナンキュラスが咲き初める、昨年の春咲いた球根をそのまま植えて一年越しに咲いた

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赤色とあわい桃色のチューリップ、桃色の花は老犬ももこを偲ばせる

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桜の花びらが舞う庭

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種を蒔いて育てたストックの花、つぼみはみんな薄い黄色で花開くと色が現れる