矢車草

 朝から冷たい雨。5時半ごろ起き、広縁(庭に面したサンルームみたいな部屋)のカーテンをあけたら、庭がしっとり雨で濡れている様子が眺められ、昨年の春の柴犬レオを思い出した。
 乙女椿の花が終わりかけて、雨で重たくなった花が落ち、庭土をピンク色に染めている日に、レオが広縁でサッシのガラス戸にからだを擦り付けるようにして横になっていた姿が思い出される。そんな日はわたしはレオがよく見える居間に座って、レオを見守りながらテレビを見たり、パソコンの画面に目をやったりしていたのだろう。
 昨年の春、レオがいたとき、近くの園芸資材店、大江戸商会で矢車草と千日紅のタネを買い、千日紅だけまいた(多分5月半ばころ)。矢車草は暖地では春蒔きが難しそうなのでやめたが、タネの袋をよく見ると2013年の6月か7月くらいの使用期限が明記されていた。その矢車草のタネを9月にまいた。使用期限が切れているためか発芽率は悪かったがいくつか芽が出て、5株だけ育てることができた。
 昨年末と今年2月に5株を2回にわけて花壇に植え、数日前から花が咲いている。紫色とピンクの花だ。この花を見てもレオが偲ばれる。

矢車草、古きタネ蒔けども
紫、ピンクの花誇らかに咲く

矢車草花の向こうに愛犬の衰えし姿重なりて涙


2013年4月3日の柴犬レオ
昨年は4月の初め頃から、椿の花が落ち始めていたが、今年は
4月半ば頃まで花がもった