はじめての河原散歩

 「はじめての河原散歩その広さに若き日のレオは目見開けリ」
 こんな歌を詠んでみた。
 夕方、近くのお肉屋さんに買い物に行ったら、店の前を、よく近くの河原でレオと散歩中にお会いしたわんこ連れの方が通りかかった。あいさつを交わし、「最近はまた柴犬が多くなったみたいですよ」と一言。近くの一級河川の河川敷は、犬たちのかっこうの散歩コースで、子犬たちは予防接種を終えると河原デビューをする。そんな河原デビューをした柴犬がここんところ多いようだ。
 この言葉で、老犬レオがまだ一歳にもなっていない頃、はじめて河原に連れて行ったときのことを思い出した。土手の上を道路が通っているので、渡って、河原に向かって階段を降りようとしたとき、まだ幼いところが残るレオは階段の途中で止まってしまい、広々とした河川敷を眺め、びっくりしたような顔をした。「こんな広い所ってあるんだ」「いったいここはどこなんだ」
 いままでは家の中にいるか、近所の短い散歩だけだった。レオにとってはまさしく別天地。階段をなかなか降りようとしなかったレオだが、河原を歩きだすとここが大好きになった。散歩といえばここ以外は考えられないくらいのお気に入りの場所になった。

 昨夜のレオは、一回目の食事が夕方遅くだったので、食餌はそれだけで眠りについたが、夜中前にお腹がすいたのか起きて、何か食べさせろと要求した。レオ用に、小さなダンボールを置き、上にランチョンマットを敷き、さらにトレーを置いた食事をする場所に行き、顔をつっこんで意思表示するのだ。牛肉があったので、軽く焼き、野菜とともにあげたらぜんぶ食べた。
 その後、眠ったがまた2時くらいに置き、そのまま4時過ぎまで起きていた。新聞配達のバイクの音で時間がわかった。その後、また眠った。
 起きたのは10時過ぎで、わたしが気づくのが遅れ、部屋の中でそそう。昨年は冷蔵庫が置いてあった場所に、だ。床柱があり、そこにもかかっていた。花壇を作って9年くらいになるが、そこに植えた植物のラベルをとってあり、ブリキの入れ物に入れてあるが、そこにもかかっていた。
 あ〜あ。ただ、畳の部屋の一角が板敷きになっている所なので、清掃はやりやすかったが。

午後はレオと昼寝をした。思いがけなくぐっすり眠った。目覚めて詠んだ。「老犬とふたりになりぬ来し方を思いめぐらす昼寝のとき」
 昨日、お腹をこわしたレオは一日中、家の中にいた。今日は午前中1回、夜1回、外に出たがほとんど歩かない。歩いてもわたしの脚のまわりを回るか、ブロック塀に寄りかかって少し歩くくらい。脚にまとまりつくのは、ひとりでは立てないからだ。家の中でも隙間に入ったり、部屋の隅に頭をつっこむことが多い。

午前中、外に出た時、駐車場で横になるレオ
コンクリートの上は冷たいが、日差しが温かく、
気持ちがいいのだろう。
わたしもお日様をあびて、ほんわかした。