岡山の歌友より手紙が届く

 朝は曇りだったがすぐ雨が降り始めた。

 ゴミ袋にほぼ熟成が終わった腐葉土をひろげて乾かしていたので、急いで雨があたらないところに移動した。

 お昼前に郵便ポストをのぞくと、岡山市に住む歌友からの手紙があった。先日、季刊の短歌誌「しらぬ火」を送ったが、そのお礼はメールでもらったので感想を書いてくれたのだろうと思った。

 封を切ると送った7月号と10月号に掲載しているわたしの短歌それぞれ10首に対して感想や、こうしたほうがいいのでは?というアドバイスが書かれていた。

 一読して友だちの指摘がとても的を得たものであることがわかった。これを参考に何首かを推敲したい。

 昼食後すぐ出かけようと思ったが何かを思い出してとどまった(今思うとなんで出かけなかったのか覚えていない、大した理由ではなかったのだろう)。

 NHK短歌のホームページを開けて、各講師による題詠をインターネットで何首か送った。一昨日(日曜)の早朝、NHK短歌を見たとき題詠を送ろうと思ったのを思い出したからである。

 3時ころになり、出かけることにした。バスに乗って最寄り駅のひとつへ。そこから電車に乗り隣の駅へ。駅前のスターバックスに入った。コロナウィルス対応で、店内は隣り合った席をひとつ開けているので、座れる人数が限られている。時間によっては入れないことが多い。

 今日はふたつの席が空いていて、入り口から少し入った方の席を選んだ。カプチーノを注文。テーブルがひとつ椅子がふたつの席だ。

 ここで先ほど受け取った手紙をひらき再読した。大宮図書館で開かれた歌人、永井陽子さんの展示会に行ったことを連作で詠った10首について、ほめてくれたが短歌の構成に難があることを指摘してくれた。自分でその10首を改めて読むと、その指摘が正しいことに気づいた。展示会場で永井陽子さんの遺愛の品々に会うまでのいわゆる前振りの歌がやや多い。10首のうち、3首が行くまでの歌で、展示会そのものの説明の歌がさらに1首あり、永井陽子さんの展示品を見て感じたことを詠った歌は6首である。前振りの歌を2首にして、あと1首を結びの歌にした方がいいと友だちは指摘してくれた。

 読み返すとその指摘の正しさがよくわかる。この歌を送る前になぜ気づかなかったのだろうか。妙な思い込みがあったのだろうか。

 10月号のしらぬ火に掲載の10首についても、わたしが気づけなかった歌の欠点を指摘してくれた。カフェでラインのキープメモを使って、友だちの指摘を取り入れた推敲をしてみた。推敲する前より歌が数段良くなった。

 この店でカプチーノを飲みながら、新しい短歌をいくつも作ってキープメモで記録した。

 

はなみずき朱の実を夕べの曇天に散らせる季節が今年も来ぬ

 

かの日にはわが犬とともに歩きしよ花水木の実紅き夕べ

 

はなみずき枝のあひより夕月を犬連れのわれ見たるかな