紙舗直に障子紙を買いに行く

 晴れたが気温はそれほど上がらなかった。

 やや暖かめの服装で外出した。

 わが家は古い家で、特に一階は昭和の時代を色濃く残した部屋が多い。4つの部屋のうち、二部屋が畳を敷いた和室、一部屋はフローリングの洋室、もう一部屋はフローリングだが障子や襖のある和室となっている。

 三つの和室のすべてに障子があるが、この障子紙を変えたのがまだ父がいた2008年のことで、それ以来そのまま使っている。

 特にわたしが寝室として使っている部屋の障子がかなり見苦しくなったので、自分で何とかしようと思った。障子の下のほうは柴犬レオが破ったところが何か所かあり、思い出のひとつとして残してきたのだがそろそろきれいにしたくなった。

 レオがいた頃、ガラス障子のガラス部分をこわしてしまい、丈夫な和紙を張って代用としたことがある。

 その和紙を買った店が印象に残っていて、障子紙を買いにその店を9年ぶりに訪れた。

 都営三田線千石駅を降りて5分ほど歩いた、白山通り沿いにある「紙舗直(しほなお」という和紙専門店だ。

 障子紙をとりあえず2mと、手漉きの高価な和紙を一枚買った。とりあえずといったのは、試しに小さめの障子(普通サイズの半分の大きさ)を張り替るつもりだからだ。

 手漉きの和紙は工夫しておもしろい使い方をしてみたい。白い障子紙の中に数か所だけ、色のついた和紙を張ったところがあるというような。

 くるくる巻いて包装してくれた和紙を持って(結構長いので持ちにくい)、都営三田線で日比谷に出て、さらに銀座まで歩き、バレンタインのチョコレートを買った。

 あげる相手は近所の友だちと、数年来お世話になっている知人だが、知人のほうはうまく連絡が取れれば渡すつもりだが無理だったら自分用にしてもいいと思って買った。

 コロナ禍のなかでもそれなりにデパートのチョコレート売り場は人がいた。行例ができる店がひとつあったがやはり、平常時のにぎわいや熱気には届かないようだ。