風があまりなくおだやかな秋の日となった。午前中午後と庭仕事をした。
午前中は隣家との境近くに植えられた名無しの落葉樹を剪定した。名無しとはわたしが名前を知らないだけ。ちゃんとした名前があるのだから失礼かも。
夏の間ぐんぐんと空に向かって太い枝を伸ばしたので、そのぜんぶを鋸で切った。切り終えるとうねりのある丸太のようになった。このように切らないと高木になり剪定が難しくなるのでわたしは必死である。切った枝のうち2本が隣家の敷地に落ちたので、入らせてもらい枝をわが家の庭に投げ入れた。丸太状に切ったところから年を追うにつれさらに太い枝を伸ばすので、植木屋さんに相談しようかと思っている。樹木は強剪定をすると枝が暴れて手に負えなくなると言っていたからだ。
名無しの落葉樹の枝から枯葉を手でこそぎ落としてゴミ袋に入れ、腐葉土の材料にした。
午後は花壇に花苗や種から育てた小苗を植え付けた。ストックを2苗、ビオラを1苗、ネモフィラを10苗、矢車草を4苗ほど。木を切りながら、土いじりをしながら、老犬ももこがいない寂しさをかみしめている。泥だらけの手になって家に戻ると昨年秋はももこが部屋にいてくれた。「ももこ」と呼んで急いで手を洗い、ももこがトイレに行きたいのではないかと様子を見た。ももこがわが家にいたのは1年と5ヶ月あまり。あまりにも短い。
庭仕事終えて家の中に戻りたれば待ちくれし犬の姿なくしずもる
眠りいる犬の写真この眠りいつまでもと願いしを思ふ
カメラ見るおぼつかなげな老犬の眼差しこころにしみいりたり
さら地に雨が降りたり昨年は明かり灯る家に降りにし雨が
切り落とした枝には色づいた葉がついている
この木は枯れても葉が落ちずに冬を越すことが多い
スモモの木の下に作った花壇
植え付け作業が進んでいるが千日紅はまだそのままにしている
ももこがいたとき種を蒔いて育てた花なので、抜いてしまうとももこと
つながっているものがひとつ消えるような気がして