湯島天満宮の菊花展に行く

 朝から冷たい雨が降ったがお昼前に上がり、午後から晴れ間が出た。
 雨が降っている間に近くの特別支援学校内にあるカフェに足を運んだ。雨の日にしてはお客さんが多く、みんな顔見知りの方なので話がはずんだ。 
 家に帰りお昼ごはんを食べた後、すぐ支度をして外出した。今日から湯島天満宮の境内で菊花展が開かれるので観に行こうと思った。「菊人形」という兼題が出されたが菊人形を見た思い出がなく、どのように歌を詠めばいいのか考えあぐねてのことで、都内の菊花展では珍しく菊人形が展示されているとのことだ。
 東京メトロ湯島駅を降り、大通りから少し入ったところに女坂がある。7年ほど前に訪れたことがあり、その時もこの坂を上った記憶がある。
 坂を上り鳥居をくぐると本殿があり、たくさんの絵馬が見え、制服姿の女子中高生の姿が目立った。若い女の子がこんなに多いとは予期していなかったので驚いたが考えてみれば湯島天神は学問の神様をお祀りして合格祈願で有名な神社である。
 絵馬に目を奪われたが、菊の花もたくさん展示されている。ただ、菊花展の初日なのでまだ花が開いていないものが目立つ。菊花展を観る人は少なく、ゆったりと鑑賞できる。ひととおり境内をめぐってみた。菊人形は唐門を入ってすぐの参集殿近くにあった。真田丸に題材をとって、真田昌幸真田信繁、春の三体の菊人形が展示されている。色とりどりの小菊で作られた袴や着物、陣羽織を着ている。
 菊人形と並んで記念写真を撮っているのは中国人観光客の人たちだ。
 頭の中で考えているより実際に菊人形を見ることができてよかったがこれで歌が詠めるかというとそれほど甘くない。
 帰りは不忍池まで足を伸ばした。湯島と上野はかなり近いということを初めて知った。上野の東京都美術館で「ゴッホゴーギャン展」を開催中なので観にいきたいのだが帰りが遅くなるので別の日にすることにした。

 今日詠んだ歌は

手をつくし心つくしてかなわぬことあるを知りて秋の雨降る

4枚のカレンダー残し逝きし犬今年もあと二か月となる

外つ国より訪れし人並び立ち菊人形と写真を撮りおり

陣羽織小菊で飾り平成の真田昌幸りりしく立てり



左から真田信繁の正妻「春」、真田昌幸真田信繁(幸村)

枯れかけた蓮の葉がひろがる不忍池