ダリアの絵を描きかけて

 朝は久しぶりに散歩に出かける。途中。お寺に寄り、花立の水を替えた。母の月命日に持って行った花がまだ元気だった。
 昨年亡くなった柴犬レオとよく歩いたコースだが、目に入る風景は時の流れを感じさせる。レオがまだ若い頃、歩いた道沿いに新築の家があり、建物の周囲にわたしの背丈より低いオリーブの苗木が4〜5本植えられていた。その木の幹は太くなり樹高は2階の軒下に届くほどになった。細い苗木を見ながら、地中海地方原産のオリーブがこの地に根付くのだろうかと思いながら、レオと歩いていた頃がなつかしい。
 オリーブの木の向かい側がレオが大好きな先輩犬の家で、当時は犬小屋が庭にあり、そこに犬がいた。レオは家の前を通ると必ずフェンスに近づき、いるのかなと覗くようにした。鼻をくんくんさせるときもあった。飼い主さんが家から出てきて、おやつをくれる時もあった。レオがこの家の前で立ち止まるのはそのせいもあったにちがいない。先輩犬の家から少し先まで歩き、引き返し帰路についた。
 植木鉢に植えたダリアがきれいに咲いていて、いつか絵に描こうと思っていたので、午前中、スケッチブックを持って庭に出て鉛筆で下描きをした。色付けは後でしようと思い、家の中に入ると友だちからメールがあり、返信。その後電話もかけて、結局、長電話になった。2時間近くか。
 色を付けるのは午後になった。火鉢を逆さまにして、その上に水を入れたプラスチック容器を置き、家の中で混色した色を塗っていると、通りかかった近所の友だちに声をかけられた。久しぶりなので、描いた絵を観てもらおうと家に上がってもらった。
 紅茶と浜松土産のうなぎパイをお出しして、絵についていろいろ話した。わたしが使っているマッチ水彩絵の具が良さそうだと言うので、メーカーをパソコンで検索して、注文したいときはサイトからできることを教えた。友だちは数日前まで体調を崩していたようで、お茶を飲んだり、話したりの時間を心から楽しんでくれた。昨年レオが死んで心身ともにぼろぼろ状態になっていたとき、この友だちの家に遊びに行き、快く迎え入れてくれたので、わたしもお返しができたようでうれしかった。
 ダリアの絵は完成しなかったが明日、続きを描くことにしよう。


描きかけの絵
午前と午後では花びらの開き具合が変わることに気づいた、