うっかりミスで、明治神宮御苑を散策

 日曜日の朝、早朝一度起きて二度寝をしたので次に起きたのは8時半。10時過ぎに家を出た。月に一回の明治神宮歌会に出席するつもりだった。
 ところがいつものように社務所近くまで行くと人通りがまったくない。歌会に集まる人の姿がなく、変だなと思いつつ社務所に入ると、歌会はなかった。わたしの勘違いだった。たいていはその月の最後の日曜日に開かれるが、6月は一日が日曜なので第四日曜日の22日が歌会だったのである。
 すぐ家に帰るのも惜しいので、社務所まで行く途中にあり、一度入ってみたかった明治神宮御苑を散策することにした。明治天皇が皇太后のために造られた庭園で、釣台のある池や菖蒲田、ツツジ山、清正井(きよまさのいど)戸などがある。苑内に足を踏み入れたときは曇っていたが、だんだん厚い雲の間から青空が現れ、日がさしてきた。
 皇太后がよく釣りをされたという釣台のある池まで歩くと、夏のような深い青色の空がこんもりとした池の縁の林の上にひろがっていた。池の水に空が映り,その上をアメンボウが泳いでいる。細長い池の傍に作られた道を歩くと、その先にこれも細長い菖蒲田がある。花の盛りは過ぎたようだが、濃淡の紫色や青色、淡い藤色、白などの花菖蒲がまだ咲いている。茅葺屋根の東屋に、杜若と菖蒲、花菖蒲の違いを描いたボードが設置されていたが、いくら読んでもその違いが頭に入らない。
 菖蒲田の先には、清正井という井戸がある。この地はもともと加藤清正下屋敷があったところで、江戸時代に掘られてから水質の良さで知られている。この湧水が菖蒲園や池に流れているようだ。緑濃い木立の中、少し低くなったところに清らかな井戸がたたずんでいる。並んで井戸の水に手をひたす順番を待ち、透き通った水に手を触れた、ひんやりとしている。
 いつも社務所に行く途中、横眼で見ながら、いつか入ってみようと思っていた御苑を見学できたのはよかった。バッグにはいつものように柴犬レオの写真が入っていて、今日は特別に赤い首輪も入れてきた。心の中のレオもいっしょに散策してくれた。

 歌会の日は6月が始まったとき、カレンダーに記しそれが間違っていた。でも正しく記してあっても行かなかった可能性がある。先週の日曜の前日は外出し、疲れていたので休むしかなかったように思う。


御釣台のある池
白やピンク、黄色のハスの花や黄色い河骨の花が咲いている


空が写っている池


菖蒲田には江戸系の花菖蒲が植えられている
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清正井(きよまさのいど)