今日は月に一回開かれる明治神宮の月次歌会の日。いつもの時間に家を出ようとしたが、鍵がいつもの場所に置いていなく、探し回ったがみつからず、別の鍵を使って家を出た。駅まで歩く途中で、犬友達に会い、少し立ち話をしたこともあり、会場に着いたのが遅れ、すでに多くの人が集まっていた。
今日の当座は『靴または下駄・草履』。このテーマでそれぞれ短歌を作り、ひとり一首、短冊状の紙に名前と共に記して、提出する。講師の方はすべての作品に目を通し、優秀作や佳作をお選びになり、全作品の講評をなさる。さらにその前に全国から募集した月ごとの兼題を詠んだ短歌から優秀作、佳作、会場に来ている方の選外佳作も講評なさる。
3月の兼題は『春雨』で、すてきな作品がたくさんあった。わたしは毎月10日の締め切りに間に合わなくて応募しなかったがいくつかの短歌を詠んだ。
「春雨に濡れる沈丁花うすく香りて春の訪れ静かに告げる」
「春雨に咲くかのような花柄の傘をひろげて街に出かけたし」
「庭には春雨の恵み部屋には老犬が眠る幸せな日々」
今日の当座を詠んだ短歌はこんなふうに・・・・・・・。
「下駄箱の母の草履捨てかねて早や6年の歳月過ぎ」
「朝の町靴音響かす女性から励ましを得た遠い日もあり」
「長靴で凍った雪を踏みくだく幼女の姿に自分を重ね」
「夏の日の素足に履いたサンダルの触感恋し浅き春」
この歌会ではいい歌を詠まれる方が多く、刺激を受けたり、感心や共感をいただきながら、楽しみつつ歌を作っている。