絵筆を受け取りに行った

 朝早くから小雨がぱらつく祝日(勤労感謝の日)。老犬レオは朝7時ころ起き、家の前の道路で用を足した。途中から雨がぱらつき出したが、レオはなかなか家の中に入ろうとしない。濡れてもたいしたことがない降りだったので、わたしもしばらくつきあい、玄関横の紅梅が植えられた小さな花壇に、プリムラ・ジュリアン3株とプリムラ・マコライデス2株を植え付けた。ここは夏の間、インパチェンスが植わっていた。
 終わった頃、雨の降りが強くなったのでレオと家の中へ。レオはすぐ横になったので、フリースをかけて寝かせた。次はお昼頃起きたので、まず、お湯で薄めた牛乳をあげ、今日はじめての食事をあげた。どちらもかなり飲み、食べ、ドッグフードも少し食べた。食後のトイレも外に出してわりとすぐしてくれたので、ほっとした。お腹がいっぱいになり。おしっこもしたレオはまた眠り始めた。
 寝ているレオの顔を見て、雨が降っているが今日でかけたほうがいいと判断。自由ヶ丘の画材屋さんに水彩用の絵筆1本の取りよせを頼み、昨日、商品が届いたと電話をもらった。晴れたら、庭仕事があるし、今日はレオも今のところ、順調にいってるし、車ででかければ雨も気にならないと思い、午後早々にでかけた。
 いつも使っている駐車場がなくなっていて、駐車場を探すのに少し手間がかかったが、画材屋さんが思ったより近くて、助かった。取り寄せの絵筆とそれよりリーズナブルなものも1本、計2本購入。18号の絵筆は思ったより大きくて、あれ?と思ったが使っているうちに慣れるだろう。もう一本は小さめの8号にした。
 店を出てすぐ帰るのもつまらないと思い、駅前のほうへ歩いた。よく行く通り(名前は忘れた)、遊歩道があり、車を気にせず歩ける所に行った。大きなクリスマスツリーが飾られ、ポインセチアの飾りが彩りを添えていた。
 2,3買いものをして帰ろうとすると、テントがあり、若い金管楽器の奏者たちが演奏会を開いていた。音合わせをしている。音合わせをしながら、会話が弾み楽しげで、それを聞いていると演奏への期待がふくらむ。音と気持ちも合わせているみたい。聴きたいが早く帰ろうという気持ちもあり、立ち去ろうとすると、演奏が始まり、引き返し聴いた。ドレミの歌。
 金管楽器の奏者を見ると、何年か前見た映画を思い出した。『迷子の警察音楽隊』という映画だ。エジプトのアレキサンドリア警察音楽隊が招待され、イスラエルのある街で演奏をしにはるばるやってくる。ところが空港に出迎えの人はなく、楽隊は地名が一字違いの辺鄙な街にたどりつく。音楽隊員たちはカフェの女主人の計らいで街の人たちの家に分散して宿泊することになる。女主人はさばけたいい女で、音楽隊は窮地を救われる。よく憶えていないが、その夜、女主人と楽隊長との間に心を通わす会話があるのだが、そのときのふたりの様子がよかったなあ。一宿一飯の恩を街の人たちから受け、それぞれの家でいろいろな心の通い合いがある。
 この映画のことを思い出しながら、次の演奏を背中で聴きながら、駐車場に急いだ。
 家に帰るとレオは起き上がっていたがすぐトイレに行きたい感じではなかった。
 レオは夕食もたくさん食べた。小松菜とブロッコリー、ごはんを、鶏モモ肉で炒めたもの。チーズも少し。クロワッサンも少し。